From Paris/パリDAC通信第68号


2008年3月31日
パリDAC通信(アクラHLFの採択文書はAAA)


アクラハイレベルフォーラムで採択される予定の文書AAA(Accra Agenda for Action)のドラフトが公開されました(www.accrahlf.netをご参照ください)。

援助効果向上の取り組みをフォローアップ

AAAはパリ宣言に代わる新たな宣言ではなく、パリ宣言の目標年である2010年に向け援助効果向上の取り組みをフォローアップすることが目的です。

パリ宣言5原則に沿ったAAAのドラフト

AAAのドラフトは基本的にはパリ宣言の5原則に沿った内容となっており、2010年に向けた様々なコミットメントが盛り込まれています。例えば、

■2010年までに透明性の高いコンディショナリティ実施のための国際行動規範に合意する。

■2010年までに援助の中期的な予測可能性を向上させるアクションに合意する。

■2010年までに市民社会組織の援助効果向上に関する好事例の共同文書に合意する。

■2010年までにEUの援助の分業行動規範に基づく好事例原則に合意する。

■2010年までに国際的な共同説明責任のモニタリングメカニズムを合理化する。

■AAAの取り組みをモニタリングするメカニズムを提案する。

今後はAAAとパリ宣言の役割の整理を踏まえつつ、各国がどこまで合意できるかについて事前の交渉が開始されます。

世界中で始まるコンサルテーション

今後は9月のアクラHLFを前に、世界中で地域コンサルテーション会合が開催され、AAAのドラフトやアクラHLFの内容について議論されます。

■アジア地域
大洋州:4月4−7日(フィジー)
東南:4月21−22日(バンコク)
南アジア:5月5−6日(バンコク)
中央・西アジア:5月8−9日(バンコク)

■アフリカ地域:4月29−30日(キガリ)

■ラテンアメリカ地域:6月5−6日(ボゴタ)

■中東地域:未定(ジェッダ)

(パリDAC通信担当:吉田 徹)


バックナンバー

2008年
3月3日第67回「「対外援助」ドナーとしての中国
2月18日第66回「さようならマニングDAC議長〜2007年DAC議長報告書
2月4日第65回「アクラハイレベルフォーラムの概要
1月21日第64回「「パリ宣言」第2回モニタリング調査の開始
1月7日第63回「謹賀新年:2006年ODA額と2010年ODA額シミュレーション

2007年
12月21日第62回「気候変動への適応とODA
12月13日第61回「DACにおける「能力開発」の議論の開始
11月12日第60回「急速に存在感を増しつつある「新興のドナー」(OECDの拡大とハイリゲンダム・プロセス)
10月30日第59回「「パリ宣言」:開発成果のためのマネジメントに向けた取り組みとは
10月22日第58回「急速に存在感を増しつつあるBRICs等の「新興のドナー」
9月26日第57回「増えるODAとその配分
8月7日第56回「2008年援助効果向上アクラハイレベルフォーラム

2006年

12月26日第55回「対オランダ援助審査からみたDAC −その4−
11月26日第54回「対オランダ援助審査からみたDAC −その3 「優等生」オランダから学べ!?−
10月19日第53回「対オランダ援助審査からみたDAC − その2 「援助審査」はお手盛り審査?−
10月19日第52回「対オランダ援助審査からみたDAC −その1−
8月5日第51回「協力求む!?「パリ宣言」モニタリング調査の開始
6月13日第50回「続・一般財政支援の効果はいかに?

5月28日第49回「OECD閣僚理事会
5月15日第48回「一般財政支援の効果はいかに?
2月21日第47回「OECDの開発に対する取組み強化(その2)− 投資分野での取組み−
2月7日第46回「OECDの開発に対する取組み強化
1月25日第45回「スケールアップに関する議論−続編−(第2回 DAC・世銀スケールアップ会合)

2005年

12月11日第44回「質問:ブルガリアに派遣されている青年海外協力隊の費用は、『ODA』でしょうか?
       (「DACリスト」改訂)
11月28日第43回「スケールアップに関する議論

11月1日第42回「ODA増額のためにODAを使う?」− ODAに占める開発教育・広報費の割合−
9月18日第41回「OECD/DAC事務局による2010年におけるODA量のシミュレーションと最近のDAC内外におけるホットトピック
9月6日第40回「9月国連総会(首脳会合:World Summit)とOECD/DAC
8月22日第39回「援助効果ハイレベルフォーラム・フォローアップ(その2)
7月22日第38回「パリ援助効果ハイレベルフォーラムフォローアップ
6月27日第37回「オバケODA」を退治せよ?
5月28日第36回「開発援助サポーター倍増作戦−DAC諸国における広報−
5月14日第35回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告とそのフォローアップ(その4 開発成果マネジメント)
4月18日第34回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その3 能力開発)
3月19日第33回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その2 パリ宣言と我が国の対応 )
3月4日第32号「パリ援助効果ハイレベルフォーラム
2月5日第31号「Forum on Partnership for More Effective Development Co-operation
1月23日第30号「脆弱な国家(fragile states)における援助効果向上に関するシニアレベルフォーラム
1月11日第29号「DACアウトリーチ戦略(その2)

2004年

12月14日第28号DACシニアレベル会合(SLM)
11月16日第27号「開発援助における評価の方向性
10月29日第26回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その4 調達キャパビル)−
10月15日第25回『ニカラグア通信:現場から見た調和化・アラインメント
10月1日第24回「DACアウトリーチ戦略−対外協力関係の今後−
8月10日第23回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その2 開発成果マネジメント)−」
7月28日第22回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その1)−」
7月12日第21回「ODAでCO2排出権を買えるのか?」
6月12日第20号MDGsへの貢献はどう図るべきか?
5月30日第19号「対フランス援助審査」

5月18日第18号「OECD閣僚理事会(5/13-14)」
5月4日第17号 「援助量と援助効果の向上」

4月18日16号「DACハイレベル会合 報告」
4月6日15号「DACハイレベル会合(4/15-16)・予告編」
3月14号

2003年

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