From Paris/パリDAC通信第23号


2004年8月10日
ローマ調和化宣言」のその後
− パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その2 開発成果マネジメント)−

  2005年3月に開催予定のパリ・ハイレベルフォーラム(HLF)では、前号でお知らせした「ローマ調和化宣言」のフォローアップに加え、調和化を超えた「援助効果向上」という広い視点でのアジェンダの設定が検討されています。そのアジェンダの一つに、開発成果マネジメントがあります。今回はこの開発成果マネジメントに関するDACの昨今の動きについてご紹介します。

 本アジェンダは、DACメンバーであるバイのドナーにとっては新しいものです。DACでは、援助効果作業部会の下に創設した「開発成果マネジメントジョイントベンチャー」にて、本分野で先行している世銀を含めた様々なフォーラムにおける本件に関する経験を共有し、各ドナーでの取り組み強化に資することを目的に議論を行っています。主な活動として、(1)開発成果マネジメントに関する基本原則の策定とその普及(同基本原則は、今年2月にマラケシュで開催した開発成果マネジメントラウンドテーブルというDAC、世銀、開発銀行等の参加する更に広いフォーラムで採択済み) )、(2)開発成果マネジメントに関するSourcebookの策定、(3)PRSプロセスの成果モニタリングシステムの調和化、(4)ドナー機関自己評価に関する経験・教訓の共有、が挙げられます。


同ジョイントベンチャーでの議論は、まだ開始されたばかりで、いかにこの新しい分野での経験を、現場に使い易い形で加工して広めていくか、更に、どのように途上国側にも開発成果マネジメントアジェンダを普及させていくのか、という点が主な論点になっています。HLF(及びその前段階として各地で予定されている地域ワークショップ)で本件を取り上げることには、このような現場での現状の吸い上げ、途上国とのアジェンダの共有を図るという目的もあります。

(パリDAC通信担当 寺門雅代)


バックナンバー
2004年7月28日第22回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その1)−」
2004年7月12日第21回「ODAでCO2排出権を買えるのか?」
2004年6月12日第20号MDGsへの貢献はどう図るべきか?
2004年5月30日第19号「対フランス援助審査」

2004年5月18日第18号「OECD閣僚理事会(5/13-14)」
2004年5月4日第17号 「援助量と援助効果の向上」

2004年4月18日16号「DACハイレベル会合 報告」
2004年4月6日15号「DACハイレベル会合(4/15-16)・予告編」

2004年3月14号


2003年12月13号
2003年10/11月12号
2003年7月21日11号

2003年7月7日10号
2003年6月22日9号
2003年6月9日8号
2003年5月5日7号
2003年4月28日第6号
2003年4月17日第5号
2003年4月7日第4号
2003年3月31日第3号
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