2025年11月25日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「静かな安定」中山愛美(ワシントンDC在住、世界銀行)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
日本政府は、ハリケーン「メリッサ」によってカリブ地域にもたらされた甚大な被害に関し、ジャマイカ、キューバ共和国及びハイチ共和国の3か国に対する支援として、計400万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました(記事)
英仏独伊は、西岸地区情勢に関する共同声明を発表し、パレスチナ民間人に対する入植者による暴力行為の大幅な増加を強く非難しました(記事)
国連は、COP30の主要な論点をまとめています(記事)
Oxfamは、G20について南アフリカは国際政治に負けず不平等の問題を議題に載せたとコメントしています(記事)他
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:静かな安定
執筆:中山愛美(ワシントンDC在住、世界銀行)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
少し前に目にした米国労働市場のBig hold, Stay outの記事。以前は「転職は成長の証」であり、「新しい環境に飛び込むことでより高い報酬を得る」という考えが多かったように思う。しかし、最近のアメリカは、転職で得られる賃上げ幅が縮小し、人々はむしろ「今の職場にとどまる」ことを選ぶ傾向だという。求人や離職率の低下が示すように、労働流動性には変化が見られるのかもしれない。
国際機関の世界でも、要因こそ違えど、この傾向を少し感じる。米政権の政策方針の転換や資金配分の見直し、各組織の再編などを背景に先行き不透明な状況が続く。特に国際開発の仕事は契約ベースが多く、これらの影響を受けやすい。いくら頑張っても自分の力では動かせない変数が多く、心の安定を保つのが難しい時期がある。
思い返すと、大学院時代にアメリカで初めて“就活”をした際、心の底にあったのは期待よりも恐怖だった。日本で経験があったとしても、誰にも必要とされないのではないかという不安。やっと短期のコンサル契約を得ても、数ヶ月先の見通ししか立たず、「次を探さなければ」という焦りが常につきまとった。保険のカバー範囲も限られ、大きな病気やケガをしたらどうしようという現実的な不安もあった。
それに比べると、個人的な状況は少しずつ変わってきた。短期から長期コンサル、そして有期ではあるもののスタッフポジションへと進む中で、ようやく仕事のことだけを考えられる時間が増えた。毎日の心のノイズが少しずつ減り、静かに集中できる感覚がある。もちろん、業界全体としては依然不透明で、次の変化がいつ来るかも分からない。それでも、自分でコントロールできる範囲は限られていると認識し、その中で出来ることを丁寧に積み重ねるしかない。
「とどまる」ことは、必ずしも停滞を意味しない。不安定な時代だからこそ、自分のペースを守り、心が擦り減らないように働き方を整える―それが私にとっての小さな安定の選択なのかもしれない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】 開発フォーラム新着情報チェック
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
┏━━━━━━━━━━━┓
– 日本関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
- モロッコ王国との間で、645.77億円を限度とする円借款「ガルブ平野南東地域農業用水整備計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
- 国際連合児童基金(UNICEF)パキスタン事務所との間で、供与額5.15億円の無償資金協力「ポリオ撲滅計画(UNICEF連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
- 国際連合児童基金(UNICEF)ジブチ事務所との間で、供与限度額を8億5,700万円とする無償資金協力「北部地方における給水施設整備計画(UNICEF連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
- 日本政府は、ハリケーン「メリッサ」によってカリブ地域にもたらされた甚大な被害に関し、ジャマイカ、キューバ共和国及びハイチ共和国の3か国に対する支援として、計400万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、アフリカで医療サービスを提供するスタートアップ企業CarePoint社との間で出資契約を調印しました(記事)。
- 外務省国際機関人事センターは空席情報を更新しました(記事)。
- 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
- 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
┏━━━━━━━━━━━┓
– バイ・ドナー関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
- 英国とアフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は、11月11日にロンドンで初の英国・アフリカCDCハイレベル保健対話を開催しました(記事)。
- 英仏独伊は、西岸地区情勢に関する共同声明を発表し、パレスチナ民間人に対する入植者による暴力行為の大幅な増加を強く非難しました(記事)。
- AFDは、公園・生物多様性パートナーシッププログラムを通じてインドのアッサム州や南アフリカのサバンナの生態系の保全を支援しています(記事)。
- AU–EUビジネスフォーラム2025が、ルアンダで開催されました(記事)。
- インパクト・ファンド・デンマークは、ウクライナ、ミコライウ州ペルヴォマイスク市の水道管路の復旧を支援するため360万ユーロの助成金を交付します(記事)。
- カナダはジャマイカのハリケーンへの対応として、食糧、救援物資、緊急医療、水、衛生・保健支援を含む700万ドル以上の人道支援を提供しました(記事)。
- 豪州政府はNGO 協力プログラム(ANCP)に1 億 4300 万ドルの資金を提供します(記事)。この支援により、60以上の認定オーストラリアNGOが、地域社会の健康、教育、食糧安全保障、インフラを改善するための340以上のプロジェクトを実施できるようになります。
┏━━━━━━━━━━━┓
– 国際機関関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
- OECDは、気候変動に関する報告書” OECD Environmental Outlook on the Triple Planetary Crisis: Stakes, Evolution and Policy Linkages”を発表しました(記事)。
- OECDは年金に関する報告書” OECD Pensions at a Glance 2025”を発表しました(記事)。
- 世界銀行は、モーリタニアに対する国別パートナーシップ枠組書を発表しました(記事)。
- 世界銀行はハイチの交通インフラ整備を支援することを目的としたプロジェクトを承認しました(記事)。
- アジア開発銀行と国際原子力機関(IAEA)事務局は、アジア・太平洋地域における原子力エネルギーの平和的で、安全、そして持続可能な利用に関する協力深化に向けた覚書に署名しました(記事)。
- アジア開発銀行は、タジキスタン、キルギス共和国の災害の対応支援を目的としたプロジェクトを承認しました(記事)。
- アフリカ開発銀行は、トーゴ共和国との間でプロジェクトの成果向上のためのプランで合意しました(記事)。
- 米州開発銀行は、ウルグアイの国道網整備支援を目的としたプロジェクトを承認しました(記事)。
- 米州開発銀行は、ジャマイカの公共セクターの効率性向上支援を目的としたプロジェクトを承認しました(記事)。
- 国連は、COP30の主要な論点をまとめています(記事)。
- ユニセフは、世界の子供の約20%は一日3ドル以下の極度の貧困の中で暮らしていると分析しています(記事)。
- WFPは、世界の飢餓を終わらせるのに必要な費用は、世界の軍事費の1%にも満たないと分析しています(記事)。
- WHOは、妊婦の6人に1人が肥満であり、人々の健康上のリスクになっていると報告しています(記事)
- WHOは、環境と気候変動について分析した報告書を出版しました(記事)。
- HRMMUは、ウクライナの民間人の犠牲者が昨年比で27%増加していると報告しています(記事)。
- FAOとWFPは、食糧不足が深刻な地域の情報をまとめた報告書を出版しました(記事)。
- 国連は、南スーダンの状況をまとめた記事を出しています(記事)。
- OCHAは、スーダンのエルファシャールから8万9千人が避難していると報告しています(記事)。
┏━━━━━━━━━━━┓
– シンクタンク・NGO関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
- Save the Childrenは、紛争地での爆発物による子供の死傷者数が過去に例を見ない程になっていると報告しています(記事)。
- Save the Childrenは、ソマリアの食糧不足が干ばつにより深刻化し、支援が必要な3人に1人しか支援を受けられていないと報告しています(記事)。
- Oxfamは、COP30の成果について声明を発表しています(記事)。
- Oxfamは、G20について南アフリカは国際政治に負けず不平等の問題を議題に載せたとコメントしています(記事)。
- Oxfamは、環境問題や人権侵害との関わりが指摘されているにも拘らず、欧州の銀行は鉱物資源開発に80億ユーロを融資していると非難しています(記事)。
- 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)で、新たな多国間主義をテーマに開催されたパネルディスカッションの記録が公開されています(記事)。
- 同じくチャタムハウスで、安全保障の時代における援助をテーマにしたイベントの記録が公開されています(記事)。
- 英ODIは、多国間開発銀行(MDB)に関するG20ロードマップについての報告書を発表しました(記事)。
- 英IIEDは、COP30について「深刻な後退であり、遅延と混乱を招く処方箋で、最大の汚染者を免責するものである」と批判しています。IIEDは、12月9日にCOP30以降の気候ファイナンスをテーマにしたオンラインイベントを開催します(記事、記事)。
- 世界経済フォーラムは、変革的観光の原則を発表しました(記事)。
- 国際開発センターは、開発へのコミットメント指数(CDI)を発表。開発資金の規模が縮小する中、援助を超えた視点がこれまで以上に重要となっている中、CDIは世界の主要国を、グローバル開発に影響を与える政策に基づいて順位付けするものです(記事)。
- JETROアジア経済研究所は、国際シンポジウム「中所得国の罠とアジアにおける脱グローバル化時代の発展戦略」を開催します(記事)。
- アジア財団は、第2期議会教育委員会(EDCOM II)およびオーストラリア政府と連携し、フィリピンにおける学習危機の根源を検証し、同国およびムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治地域(BARMM)における体系的な教育改革への道筋を示すため、4つの研究調査を実施しました(記事)。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ワシントンDC開発フォーラム「情報サービス(dev-info)」と
「メーリングリスト(devforum)」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ワシントンDC開発フォーラムでは、本フォーラムの開催する勉強会等のイベント関連情報 (案内・レジュメ・議事録)をはじめとする活動情報に加え、グローバルな途上国の開発関連情報と日本の取り組みに関する最新の情報を、「DC開発フォーラム 情報サービスメールマガジンDev-info」として、電子メールにて隔週で配信しています。
[バックナンバー]
2002年7月以降の全てのバックナンバーはこちらからご覧いただけます。
[メール配信登録]
本情報サービスの配信をご希望の方は、こちらからご登録ください。
[記事掲載依頼]
本情報サービスへの記事掲載をご希望の方は、こちらまでご相談ください。
[登録解除]
本サービスの登録解除をご希望の方はこちらに空メールを送り解除いただきますようお願い致します。
[情報交換メーリングリスト]
本フォーラムでは、毎回のBBLについての意見交換の他、より広くグローバルな開発戦略と日本の関わりに関する 意見交換や情報交換を行うために、「ワシントンDC開発フォーラム・メーリングリスト(devforum)」を運営しています。参加をご希望の方は、こちらのフォームより参加申請を行ってください。
[DC開発フォーラム全般に関するお問い合わせ]
登録に際するエラーや、dev-infoやdevforumをはじめ、DC開発フォーラムの活動についてご質問・ご意見等ございましたら、お気軽にこちらまでご連絡いただけますと幸いです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集担当:小林隼人/荘所真理/畠山勝太/伊藤千春/石野瑠花/浅海誠/砂原遵平
発行:ワシントンDC開発フォーラム
DC開発フォーラムHP: http://www.devforum.jp/
Facebookページ: http://on.fb.me/rtR9Le
twitterアカウント: @DC_dev_forum
2025年11月25日発行