【dev-info】2025年9月30日号(SDGs10周年 他​)

2025年9月30日発行

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス

-(dev-info)-

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り

「国際会議におけるフランス語」行澤隆(UNOPS)

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

パレスチナ関係担当大使兼対パレスチナ日本政府代表事務所長と世界保健機関(WHO)パレスチナ事務所代表との間で、供与額8.61億円の無償資金協力「基礎的な保健医療サービス及び公衆衛生機能の強化計画(WHO連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事

AFDは、10周年を迎えたSDGsについて、これまでの進捗やAFDの取り組みについてHPで紹介しています(記事

国連は、ウクライナでのクラスター爆弾による死傷者は1200名を超え、過去最多を記録していると報告しています(記事

英サセックス大学IDSは、近年アフリカ諸国でインターネットが遮断される件数が増加しているとの調査結果を発表しました。インターネット遮断が、抗議活動や紛争時の抑圧手段として利用されていると警告しています(記事)他

 

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

 

タイトル:国際会議におけるフランス語

執筆:行澤隆(UNOPS)

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国際会議の場で耳にするフランス語は、フランスでの日常的なフランス語とは大きく異なる。違いは単なるアクセントだけではなく、文化や発言の目的、さらには話者の多様性そのものに由来するようだ。

まずは「表現の仕方」の違い。フランスのフランス語は比喩や皮肉、ユーモアを多用し、「雲をつかむような議論」や「道に迷う子羊」といった文学的表現が日常的に登場する。しかし外交の場では曖昧さは障害となるため、国際会議でのフランス語は短く、論理的で、誤解の余地がないことが求められる。先日のある会議である国の代表が「C’est clair comme l’eau de roche.(水晶の水のように明らかだ)」と述べた際、議長は単に「C’est évident.(明らかだ)」と要約した。表現の美しさよりも理解のしやすさが優先されるのである。

発音にも違いがある。フランス語学習者にとって理想とされるパリ風の“R”の発音は、国際会議ではしばしば簡略化される。理由は、話者の多くがフランス人ではないから。今やフランス語人口の中心はアフリカにあり、そこでは母音を明確に発音し、リエゾンを省略する傾向が強い。例えば私も「les enfants et les femmes」という語が「レ・アンファン・エ・レ・ファム」と区切って発音される場面を耳にしたことがある。これは発言者個人の特徴かもしれないが、結果として非ネイティブにも聞き取りやすくなっている。国際会議でのフランス語は「配慮された発音」へ進化しているといえる。

結局のところ、国際会議でのフランス語とフランスのフランス語は、異なる目的を持つ「二つのフランス語」として共存している。前者は多様な国々が意見を交わすための合理的な「ツール」であり、後者は文化や美意識を映す生きた「言葉」である。私自身、初めて国際会議でフランス語を聞いた時には大きな違和感を覚えたものの、最近になって両者は対立するのではなく、互いを補い合いながら存在しているのだ思えるようになってきた。

 

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください

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– 日本関連 –

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  • 駐トンガ王国日本国特命全権大使と国際移住機関フィジー事務所代表兼南太平洋地域調整官との間で、供与額8.82億円の無償資金協力「eMRP(電磁的方法により記録された機械読取式旅券)の導入による国境管理能力向上計画(IOM連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • パレスチナ関係担当大使兼対パレスチナ日本政府代表事務所長と世界保健機関(WHO)パレスチナ事務所代表との間で、供与額8.61億円の無償資金協力「基礎的な保健医療サービス及び公衆衛生機能の強化計画(WHO連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • 駐エジプト・アラブ共和国日本国特命全権大使とエジプト・アラブ共和国計画・経済開発・国際協力大臣との間で、カイロ都市圏南西部に地下鉄を建設するための1,000億円を限度とする円借款「カイロ地下鉄四号線第一期整備計画(IV)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • 国際協力機構(JICA)は、エジプト・アラブ共和国の再生可能エネルギー開発業者であるMasdar IPH Wind S.A.Eとの間で、融資契約に調印し、融資を実行する見通しとなりました。本事業は欧州復興開発銀行、フランス経済協力振興投資公社および緑の気候基金との協調融資となります(記事)。
  • 国際協力機構(JICA)は、中南米・カリブ地域において、アグロフォレストリーや環境再生型農業、サーキュラーエコノミー等の生物多様性保全に資するビジネスを行う企業に対して投融資を行うEcoEnterprises Impact Management, LLCとの間で出資契約に調印しました。本事業は米州投資公社(IDB Invest)、国際開発金融公社(IFC)、オランダ開発金融公庫(FMO)、カナダ開発金融機構(FinDev Canada)及びスイス新興市場投資基金(SIFEM)等の開発金融機関並びに複数の民間投資家と協調してEcoEnterprisesの4号ファンドに出資するものです(記事)。
  • 外務省国際機関人事センターは空席情報を更新しました(記事)。
  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

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– バイ・ドナー関連 –

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  • 英国は、国連で開催されるミャンマーのロヒンギャ・ムスリムやその他の少数民族の状況に関するハイレベル会合に先立ち、ロヒンギャ難民に対する2700万ポンドの人道支援を発表しました(記事)。
  • AFDは、国連とのパートナーシップの歴史や成果についてHPで紹介しています(記事)。
  • AFDは、10周年を迎えたSDGsについて、これまでの進捗やAFDの取り組みについてHPで紹介しています(記事)。
  • GIZは、2024年の評価レポートを発表しました。過去2年間に実施された約150件のプロジェクトが対象で、特にエネルギー分野での事業が高い成果を挙げていると評価されました(記事)。
  • インパクト・ファンド・デンマークは、ウクライナ、リヴィウの水道・下水インフラ近代化に向けたフィージビリティスタディを実施します(記事)。
  • 欧州連合(EU)は、WHOのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ・パートナーシップへ新たに4000万ユーロの財政支援を行います(記事)。
  • 米国ミレニアム・チャレンジ公社(MCC)はコートジボワール・コンパクトの成功裏の完了を宣言しました(記事)。
  • カナダ政府は、東南アジア諸国連合(ASEAN)との貿易・投資関係の強化を確認しました(記事)。
  • ASEAN-オーストラリアセンターの2025-26年度助成事業の申請受付が開始され、総額220万豪ドルの助成金が用意されてます(記事)。

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– 国際機関関連 –

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  • 国際通貨基金(IMF)は、同サイト上で銀行と金融システムについて、新しいテクノロジーが、流動性と決済、経済安定性のあり方を再構築していると指摘しているブログを公開しています(記事)。
  • 経済協力開発機構(OECD)は、各国政府によりよいAIの活用を促していますが、この度AIに関するレポート” Governing with Artificial Intelligence”を発表しました(記事)。
  • 世界銀行は、シエラレオネの安全な水、衛生支援を目的とした4000万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
  • 世界銀行は、パキスタンの貧困、平等、レジリエンスのアセスメント報告書”Reclaiming Momentum Towards Prosperity: Pakistan’s Poverty, Equity and Resilience Assessment”を発表しました(記事)。
  • アジア開発銀行は、ミクロネシア連邦との長期的パートナーシップへの取り組みを再確認しました(記事)。
  • アジア開発銀行は、アフガニスタン東部ナンガルハル州を襲い、多くの死者や広範な住宅被害をもたらした地震を受け、アフガニスタンの人々の人道的ニーズに対応するため、300万ドルの無償資金支援を承認しました(記事)。
  • 米州開発銀行は、ジャマイカのサイバーセキュリティ強化支援を目的とした650万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
  • 米州開発銀行は、ペルーの財政改革を後押しし、生産性、民間投資を支援するための5憶5000万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
  • 世界銀行とアフリカ開発銀行は、アフリカ地域のエネルギーアクセス拡大を目指すイニシアティブMission 300のイベントを開催し、17ヶ国がコミットメントに合意しました(記事)。
  • アフリカ開発銀行は、経済多様化、レジリエンス、包括的成長を柱としたレソトの国別戦略文書を発表しました(記事)。
  • UNCTADは、Review of Maritime Transport 2025を出版し、2025年の海運を通じた国際貿易の伸びは近年で最も低い水準に留まるという予想を発表しました(記事)。
  • 国連事務総長は、紛争が続くスーダンの北ダルフール地域の州都であるエルファシャールの状況が悪化している事を懸念する声明を発表しました(記事)。
  • OCHAは、僅か5日間の間に11000人を匿っていた11のUNRWAの施設が攻撃を受けるなど。ガザのライフラインが壊滅的状況に陥っていると報告しています(記事)。
  • WMOは、水資源に関するレポートを出版し、地球温暖化により洪水被害が継続する恐れがあると報告しています(記事)。
  • 国連は、アフガニスタンで女子の中等教育が閉鎖されてから4年も経っていることに対して懸念を示しています(記事)。
  • OCHAは、パキスタンを襲った洪水により約250万人が避難を余儀なくされていると報告しています(記事)。
  • IOMは、エクアドルはベネズエラからの移民により9億ドルの恩恵を受けているが、移民の労働環境は脆弱なままであると分析しています(記事)。
  • 国連は、2025年比で約20%減となる2026年の予算案を提出しました(記事)。
  • OCHAは、Global Humanitarian Overview 2025を出版し、人道支援に必要な資金のうち19%しか集まっていない状況であると報告しています(記事)。
  • 国連は、イエメンで紛争の影響により7割の家庭が食糧不足に陥っていると報告しています(記事)。
  • 国連は、ウクライナでのクラスター爆弾による死傷者は1200名を超え、過去最多を記録していると報告しています(記事)。

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– シンクタンク・NGO関連 –

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  • Oxfamは、エネルギー問題と気候変動問題における植民地主義の問題を分析したレポートを出版しました(記事)。
  • Save the Childrenは、ソマリアで約半数の5歳未満児が急性の栄養不良の状態にあると報告しています(記事)。
  • Save the Childrenは、紛争地帯にいる子供の1/3程度が栄養失調の状態にあると報告しています(記事)。
  • 英ODIは、気候変動の金融移行計画についての報告書を発表しました。適応策が軽視されていると警告しています(記事)。
  • 英サセックス大学IDSは、近年アフリカ諸国でインターネットが遮断される件数が増加しているとの調査結果を発表しました。インターネット遮断が、抗議活動や紛争時の抑圧手段として利用されていると警告しています(記事)。
  • 英ロンドン大学LSEで、低所得国における気候変動対策資金と投資をテーマに開催されたイベントの記録が公開されています(記事)。
  • 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家は、国際政治の場での影響力を高めるためには大陸で結束する必要があると訴えています(記事)。
  • 英国王立協会は、トランプ大統領の国連演説を受け、「気候変動は現実である」との声明を発表しました(記事)。
  • 国境なき医師団は、ロヒンギャ難民からの調査に基づく報告書を発表しました(記事)。
  • アジア財団は2025年度ウィリアム・P・フラー平和構築フェローを発表しました(記事)。
  • ジェトロ・アジア経済研究所は、2025年9月8日・9日に、慶應義塾大学、ERIA及び他のパートナー機関とともに、「An Economic Forum Dedicated to Formulating the Best Practical Solutions」と題されたAsian Economic Panel(AEP)の研究会合を共催しました(記事)。
  • 世界経済フォーラムは、持続可能な開発インパクト会議2025を開催し、包括的経済成長、責任ある技術、人道危機、気候変動への取り組みを推進するため、70名の政府高官、22名の国際機関トップ、500名の企業幹部、125名の市民社会代表を含む1,000名以上のグローバルリーダーを結集しました(記事)。
  • 国際開発センター(CGD)は、税制優遇措置と持続可能な開発のための民間投資の動員の仕組みに関するブログ記事を公開しました(記事)。

 

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2025年9月30日発行