【dev-info】2025年8月6日号(ハイチでギャングの活動により過去3カ月で1500人以上が殺害されたと国連が報告 他​)

2025年8月6日発行

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス

-(dev-info)-

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り

「14万7401枚目での別れ」小栗充博(世界銀行グループMIGA/ワシントンDC在住)

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

国際協力機構(JICA)は東ティモール民主共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「東ティモール国立大学工学系大学院能力向上プロジェクト(CADEGRADE)」に関する討議議事録に署名しました(記事

英国はガザの人道危機とパレスチナ国家の承認に関する声明を発表しました(記事

国連は、ハイチでギャングの活動により過去3カ月で1500人以上が殺害されたと報告しています(記事

英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、1945年の原爆投下直後に発表された論考記事を再掲しています(記事)他

 

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

 

タイトル:14万7401枚目での別れ

執筆:小栗充博(世界銀行グループMIGA/ワシントンDC在住)

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つい先日、長年愛用していたデジタル一眼レフカメラが壊れた。16年前に報道記者として就職した際に購入したもので、故障前の最後のショットは、14万7401枚目だった。

記者時代、「文字で伝える」のが仕事の醍醐味であったが、それと同等、時にそれ以上に「写真で伝える」ことに情熱を燃やしていた。記者を辞めてからも、プライベートでカメラを持ち歩く機会は多い。「報道写真」という縛りがなくなって自由度が増した分、表現の幅も広がってきた。友人から撮影の依頼を受けることも増えた。カメラが壊れたのも、同僚のプロフィール写真を撮っていた最中だった。長年連れ添った愛機との別れを惜しむ暇もなく、その日のうちに新しい”相棒”を購入。性能が大幅に向上したせいか、自分の腕前が上がったと錯覚するような画が撮れて驚いた。

最新性能のカメラに触れてウキウキが止まらない私だが、実はその一方で、フィルムカメラでのアナログな撮影も楽しんでいる。私が生まれた1984年に発売されたこちらの愛機は機械式で電池も不要。35ミリフィルムを装填し、光の加減のためにシャッター速度や絞りの設定をあれこれ考えながら1枚1枚を時間をかけて撮影する。当然その場で結果は確認できず、業者でのフィルム現像には少なくとも2週間かかる。とにかく不便で仕方ない。だがしかし、撮影に至る一つ一つの行程も、現像を首を長くして待つその時間も、やっと届いた写真に一喜一憂する瞬間も、一連の過程を通して私のワクワクは止まらないのだ。

この波は、若い世代にも届いているらしい。私が通っている写真屋でも、フィルム現像に訪れる10代や20代の若者をよく見かける。スマホで手軽に綺麗な画像が撮れる現在、彼らを魅了するのは、制限があるからこそ必要になる創造性や「手触り感」への渇望かもしれない。

最近、20年前に過ごしたケニアで撮影したネガフィルムを見つけた。デジタルスキャンで写真を蘇らせてみると、当時のご近所さん達や、彼らと庭に机を並べては食事やお酒を共にする自分の姿があった。インターネットはおろか、国際電話すらかけるのも苦労するほどの田舎で、家には冷蔵庫もなく停電もしょっちゅう。そんな不自由さの中でも確かに感じていた喜び。「手触り感」のある生活の中での地域の人々との触れ合いが、私の心を震わせていたように思う。

国際開発業界にいると、人の幸せを、効率性や数値化しやすい指標で測りたくなってしまう。しかし、もっと別の「尺度」も存在するはずだ。アナログな体験から生まれる喜びや、そこに宿る価値にレンズを向けるのも大切ではないか。

そんな偉そうな言葉を頭に浮かべながら、またオークションサイトを開いてしまった。

中古のフィルムカメラを物色する自分を、「これはきっと人間の本質を探求する一環なのだ」と、少しだけ正当化しつつ──。

 

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください

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– 日本関連 –

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  • ブルキナファソとの間で、供与額3.50億円の無償資金協力「食糧援助」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • セネガル共和国のとの間で、2件の無償資金協力(人材育成奨学計画(供与限度額:3.20億円)、食糧援助(供与額:1.50億円))に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • モルディブ共和国との間で、15億5,500万円を供与限度額とする無償資金協力「マレ島における災害に対する強靱性向上計画」(護岸整備等)に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • 国際協力機構(JICA)は東ティモール民主共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「東ティモール国立大学工学系大学院能力向上プロジェクト(CADEGRADE)」に関する討議議事録に署名しました(記事)。
  • JICAは、トルコ共和国政府との間で、「地震被災地域における復旧・復興計画」を対象として、無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。
  • 外務省は、平和構築・開発における人材育成事業の令和7年度「ミッドキャリアコース」研修員の応募を受け付けています(締切9月1日)(記事)。
  • 外務省国際機関人事センターは空席情報を更新しました(記事)。
  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
  • JICAはTICAD9テーマ別イベントの詳細を公表しました(記事)。

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– バイ・ドナー関連 –

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  • 英国はガザの人道危機とパレスチナ国家の承認に関する声明を発表しました(記事)。
  • 英国はシリア南部スワイダ県で発生した武力衝突を受け、国際人口基金などを通じて人道支援を提供します(記事)。
  • AFDは、ドイツ復興金融公庫(KfD)などと共同で支援するインドの廃棄物管理の取り組み、CITIIS 2.0 programをHPで紹介しています(記事)。
  • 米国は2025年6月27日にワシントンD.C.で署名されたコンゴ民主共和国及びルワンダ共和国の和平協定の実施を支援するため、7月30日から8月1日にかけて2国間会議を主催し、協定の安全保障面の実施と地域経済成長の機会の枠組み構築を支援しました(記事)。
  • カナダはパレスチナの人道的ニーズに対応するため、新たに3,000万ドルの資金提供及び1,000万ドルの追加支援を発表しました(記事)。

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– 国際機関関連 –

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  • 国際通貨基金(IMF)は、同サイト上のブログで、経済活動の指標の作成に係る国際基準である国民経済計算体系(SNA)が改訂され、新興技術やデジタルサービス、無形資産がより完全な形で組み込まれることになったことについて言及しています(記事)。
  • 世界銀行グループは、世界銀行グループ保証プラットフォームを統括する多数国間投資保証機関(MIGA)の長官に、山本力氏を任命すると発表しました(記事)。
  • 世界銀行グループは、エジプトの持続可能でクリーンなエネルギーアクセス向上支援を目的とした4億ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
  • アフリカ開発銀行は、南スーダンの税金回収とアカウンタビリティ向上支援を目的としたイニシアティブを立ち上げました(記事)。
  • 米州開発銀行は、バルバドスの中小企業のファイナンスアクセス向上支援を目的とした5000万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
  • OCHAは、スーダンで紛争・疫病・熱波により状況が危機的になっていると報告しています(記事)。
  • ユニセフは、中部・西部アフリカでコレラの感染リスクに晒されている子供が8万人おり、2千万ドルの資金が必要だと報告しています(記事)。
  • FAOなどの国際機関は、2025 State of Food Security and Nutrition in the Worldを出版し、食糧不足に陥っている人口が僅かに減少したと報告しています(記事)。
  • WFPは、南スーダンで気候変動と紛争の影響により880万人が食糧支援を必要としていると報告しています(記事)。
  • 国連は、干ばつの世界的な影響を分析した報告書を出版しました(記事)。
  • UNAMAとOHCHRは、パキスタンからアフガニスタンに帰還した人々がタリバンによる拷問に遭っているケースがあると報告しています(記事)。
  • WFPは、ナイジェリアで3100万人が食糧支援を必要としているが、資金不足により支援を停止せざるを得ない状況にあると報告しています(記事)。
  • 国連は、紛争と洪水によりミャンマー国内で330万人の国内避難民が発生していると報告しています(記事)。
  • OCHAは、モザンビーク北部で紛争の激化により約10万人が避難を余儀なくされていると報告しています(記事)。
  • 国連は、ガザ地区における飢餓の状況をまとめています(記事)。
  • 国連は、ハイチでギャングの活動により過去3カ月で1500人以上が殺害されたと報告しています(記事)。
  • 国連は、ウクライナでの上半期の民間人の死傷者数は3年間の紛争の中で最多となっていると報告しています(記事)。
  • WTOパブリックフォーラムは2025年9月17-18日にWTO本部で開催されます(記事)。

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– シンクタンク・NGO関連 –

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  • Save the Childrenは、タイとカンボジアの武力衝突により両国合わせて1200以上の学校が休講となり子供達に影響が出ていると報告しています(記事)。
  • Save the Childrenは、ソマリアで援助資金のカットにより4月半ばから現在まで感染症の件数が倍増していると報告しています(記事)。
  • Save the Childrenは、パレスチナ西岸地区で上半期に1200人以上が強制立ち退きの被害に遭ったが、これはこれまでで最多の記録であると報告しています(記事)。
  • Oxfamは、コンゴDRCでコレラにより毎日4名が亡くなり続けていると報告しています(記事)。
  • 英ODIは、国際金融システム改革に対する中国の挑戦についての報告書を発表しました(記事)。
  • ODIは、不確実性の時代における開発へのアプローチについての報告書を発表しました(記事)。
  • 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、1945年の原爆投下直後に発表された論考記事を再掲しています(記事)。
  • 英サセックス大学IDSは、開発や民主主義、ジェンダーなどの分野の2025年必読書とポッドキャストを紹介しています(記事)。
  • 世界経済フォーラム年次会合(ダボス会議)は2026年1月19-23日に開催されます(記事)。
  • JETROアジア経済研究所は各種イベント情報及び論考を発出しています(記事)。

 

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