第8回(2011/12/15)「知識経営と組織変革 プライベートセクターにおける実例と開発機関への示唆」


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ワシントンDC開発フォーラムでは12月15日(木)に、第8回ワークショップを世界銀行の会議室で開催し、約30名が参加しました。今回は世界銀行のFinancial and Private Sector Development部門で知識経営担当官としてご活躍されている荻原直紀さんをスピーカーとして迎えました。
20111215-D3S_0093.jpg(写真:池淵庸介)
まず荻原さんは知識経営(Knowledge Management: KM)のコンセプトについて説明しました。「知識経営」には合意された定義がなく、人によって意味が異なることも多いのですが、日本の文脈では知識は管理できるものではないと考えられているため、Managementに管理でなく経営という単語が当てられています。知識経営は日本発の経営コンセプトであり、アメリカでは主に形式知に焦点が当てられ、日本では暗黙知が注目されているところにその違いがあります。
文章などで表現しうる形式知と比較して、顧客開拓力や発想力に代表されるような、言葉で表現することが難しい暗黙知は、イノベーションの源泉となりうります。この暗黙知を豊かに創出するためには、まず個の活力が大切であり、さらにその活力ある個同士が交流するダイナミックな場が重要になってきます。しかし、場だけをつくっても、人と人との信頼関係がないと知が生まれないところに知識経営の難しさがあります。この点において、人と人との信頼関係こそが、KMのインフラだと言えるようです。
後半、荻原さんは富士フイルムとオランダ国税庁の事例を用いて、知識経営の具体例を述べました。前者では、会社内部及び他社との間で知のインフラとなる人と人のつながりや働き方の課題をあぶり出すプロセス、そこで浮き彫りとなった問題に対する対処方法について具体的に説明しました。後者の事例では、人と人とのつながりを促進するダイナミックな場について多様な具体例を用いて説明しました。
20111215-D3S_0097.jpg(写真:池淵庸介)
質疑応答では、知識経営を促進するインセンティブ形態のあり方、知識経営の評価指標とプロジェクト期間、経営者のタイプと知識経営、営利組織と非営利組織での知識経営のあり方、世界銀行内部での知識経営などについて活発な議論が行われました。ワークショップ終了後には、マレーシア料理のレストランにて懇親会を行いました。懇親会にも20名ほどが参加し、活発な議論や意見交換が行われました。
P1020870_fb.jpg(写真:上田浩平)
また、今回のワークショップでは、写真を趣味とする二人の参加者、(池淵 庸介さんと上田浩平さん)から写真提供をいただきました。いつものワークショップのスナップ写真より格段に質の高い写真に仕上がりました。ありがとうございます。ちなみに、池淵さんは、DC開発フォーラムFacebookページのプロフィール写真も提供していただきました。
(作成:畠山勝太)