第248回BBL議事録:10月26日(月)「2015年世界銀行グループ・IMF年次総会の評価と今後の課題」


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2015年10月26日(月)13:00-14:30

第248回BBL「2015年世界銀行グループ・IMF年次総会の評価と今後の課題」議事録

スピーカー:
藤井大輔氏(世界銀行日本理事代理)
渡邉和紀氏(IMF日本理事室審議役)
竹内元氏(JICAアメリカ合衆国事務所長)

 

*各委員会のコミュニケ、日本国ステートメントについては、下記URLをご参照下さい。

第92回合同開発委員会コミュニケ(ポイント)

http://www.mof.go.jp/international_policy/imf/dc/20151010.htm

第92回合同開発委員会日本国ステートメント

http://www.mof.go.jp/international_policy/imf/dc/20151010st.htm

第32回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケ(ポイント)

http://www.mof.go.jp/international_policy/imf/imfc/imfc_271009c.htm

第32回IMFC日本国ステートメント

http://www.mof.go.jp/international_policy/imf/imfc/imfc_271009st.htm

 

【本総会のポイント及び議論】

  • 上記コミュニケおよび日本国ステートメントの概要を説明。
  • 今回の総会では、経済評価、環境問題対策のほか、準備期間中には想定していなかったテーマ(シリア難民問題と中国経済の混乱)が注目を集めた。
  • 難民問題について、IMFは、難民流出・流入国のマクロ経済への影響について分析する方針。世銀グループとしては、中東の周辺国(難民受け入れ国)への支援が課題。具体的には、難民が避難している国は低所得国ではないため、世銀からローンは比較的高い利子がついてしまうことから、難民サポートのために世銀ローンを利用するインセンティブが働かない。こうした中、どのように支援するかを検討する必要。
  • IMFCでは、世界経済の見通し、IMFの役割、クォータ改革などが議論された。
  • 開催国ペルーを含む南米諸国に影響の大きい資源価格の変動と、それに伴う開発戦略への影響も注目を浴びた論点。今回は、TPPに対する南米諸国の関心やペルー政府の総会開催に対する熱意の高さなども印象に残った。

 

【質疑応答】

Q1. 難民問題、増資、SDR、についてもう少し詳しく伺いたい。

A1. (難民)世銀グループ、IMFともに難民のセキュリティには深く関与しない。ただ、国連だけで解決できる問題ではないので何らかの形で関与していなかければならないだろう。
(増資)世銀では、ODAが伸び悩む中、①ODAの維持・増額の呼びかけ、②IFC, MIGAによる民間資金の活用が論点になる。IDAやIBRDの増資の議論のほか、リスクテイクを増やすためのIFC増資等が検討されている。IMFのクォータ改革について、米国からは議会と調整中でもうすぐ議会承認が下りると繰り返し説明があるが、年末までの成立は難しい見通し。
(SDR)基準を満たすなら支持するというのが日米のスタンス。

 

Q2.  SDRバスケットに人民元が採用された場合のウェイトはどうなるか。

A2.  本年7月末の非公式理事会においては、現行の算出方式に基づくと、人民元のウェイトは13~15%程度。ちなみに、現在、貿易(輸出量)及び金融システムにおける相対的重要性(外貨準備)に基づいてバスケット構成を決めているが、金融取引が貿易より圧倒的に多くなってきている現状を踏まえ、ウェイト算出方法の見直しについても同時に議論される見通し。例えば、金融について外貨準備だけでなく、銀行貸出額や外為取引量等、他の指標も検討される予定。

 

Q3. 今回の重要アジェンダの1つに統計・データ整備関連があったと思うが、主な議論は何だったか。

A3. 統計の整備と向上は非常に重要。世銀にとっても、相手国政府との政策認識のずれについてデータを利用して強い説得材料を作成する必要性があるほか、プロジェクトの実行段階でもデータは必要との認識。更に、新興国からも統計関連の支援の必要性について訴える声が上がっている。
一方で、統計整備は信託基金によってプロジェクトが行われていることが多く、資金額もなかなか増えないため、この点の改善を行う必要がある。

 

Q4. 資金調達につき、他の国際機関、開発機関との連携について話はあったか

A4. あった。AIIBを名指しした人もいた。AIIBの代表がDCを来訪したり、地域開発銀行の発言の機会が増えるなど、パートナーとしてやっていこうという話はでている。

 

Q5. 世銀では、民間セクターとのかかわりがより重要肢されるなかで、ビックデータの活用など連携の動きがあるが、IMFの民間セクターとの関係如何。

A5. 基本的に、IMFのマンデートはマクロレベルの分析であり、各セクターの詳細な分析に踏み込むのはマクロ経済への影響が認められる場合というのが原則。スタッフレベルでは、ビックデータを活用し金融の活動を分析・研究を行うことも考えているようだが、IMFが金融セクターの民間機関と協働することは想定されていないのではないか。

以上