【dev-info】 2024年4月30日号(第109回世銀・IMF合同開発委員会がワシントンDCで開催 他)

2024年4月30日発行 http://www.devforum.jp/

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス dev-info

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「富士山の裾野」(都留文科大学国際教育学科 畠山勝太)

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

  • 第109回世銀・IMF合同開発委員会のメンバーは、ウクライナにおける戦争、ガザにおける人道危機、紅海における海運上の混乱を含む、現在の戦争や紛争による、世界経済へのマクロ経済面、金融面での影響について議論しました(記事)。
  • Oxfamは、IMFと世界銀行のローンやグラントを受け取った国は格差が拡大していたり、大きな格差が存在していると報告しています(記事)。他

【3】アジア開発銀行

ニュージーランド政府は、アジア開発銀行が運営するエネルギー・トランジション・メカニズム(ETM)パートナーシップに対する2,500万ドルの無償資金の拠出を発表しました。

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「富士山の裾野」(都留文科大学国際教育学科 畠山勝太)

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この4月に富士山の裾野にある都留文科大学の国際教育学科に国際教育開発担当の准教授として着任しました。岐阜で生まれ育って、ジンバブエとマラウイで勤務して、ネパールでNGOを運営して、山梨県の大学で勤務と、恐ろしいぐらいランドロックに愛された(海に嫌われた?)人生を送っています。

山梨県は人口が約80万人で、人口で言えば全国で42番目に位置する小さな内陸の県です。アメリカの州で例えるなら、南北ダコタやモンタナといった所でしょうか。そんな山梨県には国公立大学が3校あるのですが、その3校全てに国際教育開発分野の教員が所属しています。一方でモンタナの州立大学をさらっと調べてみると、国際教育開発を研究している教員の方はいない様でした。

振り返ってみると、ミシガン州立大学で博士論文を書いていた時に、MDGsはいざ知らず、SDGsですら知名度が無いので、博士論文の審査委員会のメンバーが分かるように論文の中でSDGsについて簡単な解説を加えざるを得なかったのは驚きでした。試しに私の最初の授業でSDGsを知っているか聞いてみたのですが、学生全員が知っていたのはむべなるかなという感じです。ただ、授業後にある学生が私の所にやって来て、「途上国の教育支援についてずっと学びたいと思っていました、先生、都留に来てくれてありがとうございます」と言って去っていったのには大変驚きました。

日米を比較してみると、日本は国際協力の裾野が広く小規模なNGOが数多くあり独自の国際協力を繰り広げている一方で、米国では国際協力の裾野の広さは感じられませんでしたが、ゲイツ財団やザッカーバーグイニシアティブのような国際協力の潮流を左右しうる大きな団体が存在しているのは、実に興味深い対比だなと思います。

自分でもまさか大学の教員になる日が来るとは思っていなかったですし、先生一年生なので何をどこまでできるのかもよく分かりませんが、「人は城、人は石垣、人は堀」と人的資本の重要性が謳われた地で、教育を通じた学生達の人的資本の蓄積に貢献して、日本の国際協力の裾野の強化に貢献できると良いなと思います。

 

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘こちら までご連絡ください。

 

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– 日本関連 –

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  • 第109回世銀・IMF合同開発委員会がワシントンDCで開催されました。日本ステートメントが公開されています(記事)。

 

  • トルコ共和国との間で、600億円を限度とする円借款「緊急震災復興計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。

 

  • ナイジェリア連邦共和国との間で、2件の無償資金協力「ナイジェリア疾病予防センター診断能力強化計画(1.7億円の追加贈与)」、「稲種子生産体制強化計画(5.87億円)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。

 

  • 国際協力機構(JICA)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による選考結果を踏まえ、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)における環境、カーボンニュートラル、生物資源、防災及び感染症領域の2024年度新規採択案件を決定しました(記事)。

 

  • JICAインターンシップのプログラムの応募を受け付けています(5月6日締切)(記事)。

 

  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。

 

  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

 

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– バイ・ドナー関連 –

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  • USAIDはアンゴラとの間で、保健分野における新たなパートナーシップを発表しました(記事)。

 

  • 豪州政府は、オーストラリア・東南アジアビジネス交流プログラムの一環として、ビジネス代表団を率いてシンガポール・マレーシアを訪問しました(記事)。

 

  • 英国は、マラリア治療薬や検査がより安価に手に入るよう、MedAccessへ740万ポンドの支援を行います(記事)。

    ●AFDは、世銀グループとのパートナーシップの内容や成果についてHPで紹介しています(記事)。

    ●欧州委員会(EC)による「中低所得国における持続可能な金融の拡大に関するハイレベル専門家グループ(HLEG)」は、持続可能な金融の拡大に向けた最終的な提言をとりまとめました(記事)。

 

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– 国際機関関連 –

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  • 国連諸機関は、パレスチナの310万人の支援のために28億ドルのアピールを発表しました(記事)。

 

  • エチオピア支援会議が開催され、6億3千万ドルの支援がプレッジされました(記事)。

 

  • 2024 Forum on Financing for Developmentが開催され、SDGを達成するために必要な4兆ドルの資金ギャップに取り組まれる必要があると国連事務総長が述べています(記事)。

 

  • FAOは、Global Report on Food Crisesを出版し、ガザ・スーダンなどで飢餓の状況が危機的になっていると報告しています(記事)。

 

  • WMOは、State of the Climate in Asia 2023を出版し、気候変動の影響はアジアでもっとも深刻に出ると分析しています(記事)。

 

  • UNICEFは、紛争によるウクライナでの子供の死者数が昨年比で40%増加していると警告しています(記事)。

 

  • OHCHRは、ブルキナファソ北部での衝突で220名が死亡し、紛争の激化の恐れがあると警告しています(記事)。

 

  • 第109回世銀・IMF合同開発委員会のメンバーは、ウクライナにおける戦争、ガザにおける人道危機、紅海における海運上の混乱を含む、現在の戦争や紛争による、世界経済へのマクロ経済面、金融面での影響について議論しました(記事)。

 

  • 国際通貨基金(IMF)は、同HP上で、アジア太平洋地域の2024年の見通しに関して、物価圧力の低下に伴いアジア太平洋地域内の見通しは力強さを増したが、中国の不動産市場の調整と地経学的分断が引き続き主要なリスクとなっていると指摘しています(記事)。

 

  • 世界銀行は、報告書「Commodity Markets Outlook(一次産品市場の見通し)」最新版を発表しました。その中で、世界の一次産品価格は、昨年急激に下落して全体としてインフレ率の抑制に決定的役割を果たした後、横ばいが続いており、中央銀行による早期利下げを一層困難にする可能性があると指摘しています(記事)。

 

  • アジア開発銀行は、年次報告書を発表し、アジア・太平洋地域の持続可能な開発の進展を支援するため、2023年に自らの財源により契約締結した金額(コミットメント額)は236億ドルに達したと報告しています。この報告書では、開発途上加盟国が気候危機の悪化、紛争、食料不安、債務負担の増大などの問題に対処する中、いかにADBが同地域を支援したかがまとめられている(記事)。

 

  • 米州開発銀行と国連開発計画(UNDP)は、ラテンアメリカ、カリブ海地域の持続可能な発展を支援するため更に協調することを確認しました(記事)。

 

  • 米州開発銀行は、ラテンアメリカ、カリブ海地域の金融包摂を支援するためのイニシアティブを立ち上げました(記事)。

 

  • アフリカ開発銀行と世界保健機関(WHO)は、アフリカ地域のプライマリヘルスケア改革支援で協調することで合意しました(記事)。

 

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– シンクタンク・NGO関連 –

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  • NGOスタディ・プログラム研修員の募集が始まりました。締め切りは5月31日(記事)。

 

  • Oxfamは、IMFと世界銀行のローンやグラントを受け取った国は格差が拡大していたり、大きな格差が存在していると報告しています(記事)。

 

  • Oxfamは、G7外相会合に対して、ガザ侵攻に関して行動が声明に伴っていないとコメントしています(記事)。

 

  • Save the Childrenは、ハイチでギャング間の抗争により毎日600人の子供が非難を余儀なくされていると報告しています(記事)。

 

  • Save the Childrenは、紛争などの影響によりナイジェリアの子供の6人に1人は食糧不足に陥っていると報告しています(記事)。

 

  • Save the Childrenは、パキスタンからの帰還により、アフガニスタンで25万人の子供が支援を必要としていると報告しています(記事)。

 

  • RIETIは「生成AIは経済社会をどう変えるか」と題したシンポジウムの議事録を公開しました(記事)。

 

  • サウジアラビアで開催された世界経済フォーラム「グローバルな協力、成長、開発のためのエネルギーに関する特別会合」は、先進国と発展途上国から1,000人を超えるリーダーを結集し、当面の危機に対する解決策を見出すと同時に、より持続可能で強靭な世界を創造するための議論を行いました(記事)。

 

  • アジア財団は、モンゴル初のジェンダー研究修士課程に入学した10人の研究者に奨学金を授与しました(記事)。

 

  • Centre for Global Development(CGD)は、アジアの高齢化に関するCDGトークスを開催します。本イベントでは、今後数年間で人口動態が大幅に拡大するアジアにおける高齢化社会の福祉を中心に、健康、雇用、経済的安定、社会参加の4つの側面から、アジア諸国が高齢者の福祉を優先するために必要な政策改革について議論します(記事)。

 

  • 英ODIの専門家が、世界銀行春季総会の要点を報告しています(記事)。

    ●英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、東アフリカ地域におけるタンザニアのリーダーシップについての報告書を発表しました(記事)。

 

  • 最新の食料危機に関する報告書(GRFC)が発表されました。2023年には59の国と地域で約2億8,200万人が深刻な飢餓に見舞われたと報告しています(記事)。

 

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【3】アジア開発銀行

ニュージーランド政府は、アジア開発銀行が運営するエネルギー・トランジション・メカニズム(ETM)パートナーシップに対する2,500万ドルの無償資金の拠出を発表しました。

記事リンク:

New Zealand Commits $25 Million for ADB’s Energy Transition Mechanism(4/19)

https://www.adb.org/news/new-zealand-commits-25-million-adb-energy-transition-mechanism

 

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