【dev-info】2022年12月27日号(生物多様性会議COP15が閉幕 他​)

2022年12月27日発行

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス

-(dev-info)-

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り

「資本としての健康」 飯國瑞穂(グローバルファンド / スイス・ジュネーブ)

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

国連は、ハイチの治安回復のために国連加盟国に軍の派遣を呼び掛けています(記事

生物多様性会議が開催され、地球上の3割の地域を生物多様性のために保全するという目標が合意されました(記事

Save the Childrenは、タリバン政権による女子教育の制限に対して声明を発表しています(記事) 他

 

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

 

タイトル:資本としての健康

執筆:飯國瑞穂 (グローバルファンド / スイス・ジュネーブ)

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「気管支炎が急増、国内ではこのところ子供の入院が激増しています」というスイス・ジュネーブ州政府からの告知。「ジュネーブ州では、もう全ての小児病床が満床で、今後の新規入院は、電車で50分離れた隣の州の病院に回されるらしい」という保育士さんたちからの情報。

これらの話が入ってきたのは、今年の11月、我が家も2人の子供たちの、1ヶ月以上に渡る絶え間ない病気の最中でした。保育園でも同時期に、常に60%を超える子たちが病欠とも聞き、コロナのピーク時にも小児医療がここまで逼迫した話は聞かなかったので、不安感を強く持ったのを覚えています。

おかげさまで、なんとか子供たちの病気の嵐は、入院することなく乗り越えましたが、折しも、私は仕事が繁忙期真っ只中だったため、病児保育と仕事のダブルパンチで、瀕死の日々を過ごしました。改めて、保健システムが必要な時に、手に届く距離と状態に存在することのありがたさと、健康である状態があるからこそ働けるのだということを身に染みて感じた時間でした。

仕事が忙しかった理由の一つが、勤務するグローバルファンドで、3年に一度の増資(三大感染症(エイズ、結核、マラリア)対策と保健システム強化のための資金を調達)が行われたところだったためです。日本からは10.8億ドルの拠出がありました。他の主要ドナーと比べても拠出表明のタイミングが早かった上に、ドル建てでの拠出、更に前回増資よりも30%増の金額となっており、組織内では日本への感謝の声が聞かれました。

ご参考に、今年グローバルファンドが設立20周年を迎えたタイミングで、グローバルファンド日本委員会が、第7代国連事務総長コフィーアナン氏の抱いた感染症対策の闘争資金を設立するという「夢」をモチーフにした、感染症対策のドキュメンタリー「何事も夢から始まる」を作成しています。年末年始、もしお時間あればご覧ください。

https://fgfj.jcie.or.jp/about/project/gf20thfilm/

早いもので2022年ももう終わりですが、皆さんはどんな一年をお過ごしになられたでしょうか。来年は、私は、家族の健康を守り穏やかに生活したいと思うと同時に、所属する部署の管轄するアフリカ中東の感染症対策及び保健システム強化に一層貢献できればと考えています。そのためにも、まずは疲れを癒さないと…皆さんも休暇の間、ゆっくりと休養するお時間が取れますように。良いお年をお迎えください。

 

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください

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– 日本関連 –

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  • 令和5(2023)年度予算政府案が閣議決定されました。ODAのポイントは、ウクライナ侵略を含め国際情勢が激変する中、G7広島サミットや日本ASEAN友好協力50周年等を見据え、「自由で開かれたインド太平洋」の実現など戦略的なODAの活用を図ること。一般会計ODA予算は、令和4年度第2次補正予算と合わせ9,124億円(+1,911億円)となり過去最大の伸び。うち外務省ODAは6,910億円(+1,154億円)と過去最高額を確保。外務省実施分・JICA実施分を含む無償資金協力の全体予算は、1,634億円(対前年度+1億円)(記事)。
  • UNDPカザフスタン常駐臨時代表代理との間で、供与額5億8,400万円の無償資金協力「第二次中央アジアにおける暴力的過激主義防止のためのコミュニティ強靭化及び域内協力促進計画(UNDP連携)」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
  • 国際連合人間居住計画事務局長特別補佐官との間で、供与額4.29億円の無償資金協力「都市部における避難民及びホストコミュニティの社会的・経済的包摂計画(UN連携/UN-Habitat実施)」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
  • モルディブ共和国のとの間で、供与額7億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
  • シエラレオネ共和国との間で、供与限度額20.70億円の無償資金協力「フリータウン半島に沿った配電網拡張計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
  • 日・ジョージア外相会談に引続き、供与額5億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
  • 国際協力機構(JICA)は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との間で、「アフガニスタン南部の国内避難民及び帰還民受入れ地域における生活環境改善計画(UNHCR連携)」を対象として、17億9,700万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。
  • 国際協力機構(JICA)は、ベトナム南部ニントゥアン省の総発電容量88MWの陸上風力発電事業に対して、最大2,500万米ドルを供与するプロジェクトファイナンスによる融資契約に調印しました(記事)。
  • アジア開発銀行(ADB)が、JICAによる「アジアインフラパートナーシップ信託基金(Leading Asia’s Private Infrastructure Fund: LEAP)」を活用し、ウズベキスタンにおける官民連携によるヘルスケアサービス事業への総額839万ドルの融資契約に調印しました(記事)。
  • 国連事務局グローバル・コミュニケーション局へのJPO派遣候補者(JPO in Public Information)の応募を受け付けています(1月10日締切)(記事)。
  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

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– バイ・ドナー関連 –

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  • 英国は、アフリカおよびアジアにおける生物多様性の回復に向けたプログラムを立ち上げます(記事)。
  • AFDは、HPでCOP15の成果を振り返っています(記事)。
  • 欧州委員会は、EUの対外活動の年次報告書(2022年)を発表しました(記事)。
  • EUは、市民社会の強化に向けた資金提供を発表しました。NGOなどが応募できます(記事)。
  • USAIDは、ベトナムでの戦争遺産問題への継続的な取り組みの一環として、ビエンホア空軍基地におけるダイオキシン汚染土壌と堆積物の掘削と処理のために、最大2900万ドルの新規契約を締結することを発表しました(記事)。
  • 米国ミレニアム挑戦公社は、ガンビア、トーゴ、セネガル、モーリタニアを新たな助成プログラムの開発に選定したことを発表しました(記事)。
  • カナダ政府は、COP15において、気候変動対策、自然保護、回復力のある地域経済の支援など、途上国が強い未来を築くための支援として2億5500万ドルを拠出すると発表しました(記事)。

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– 国際機関関連 –

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  • 国際通貨基金(IMF)は、同サイト上で「債務気候スワップや債務環境スワップは、強靭性を育む対策に必要な資金の一助となる」と題したブログを公開しています(記事)。
  • 国際通貨基金(IMF)は、同サイト上のブログで、2021年の世界の債務は、ここ70年で最も大幅に減少したにもかかわらず、パンデミック前の水準を上回ったままであり、成長見通しが鈍化し金融環境が引き締まる中、債務管理と財政政策の慎重さが求められると論じています(記事)。
  • 世界銀行は、2022年を振り返って、気候変動対策への投資拡大や、食料価格高騰と食料不足の深刻化など9つのチャートを使って、具体的な取り組みを紹介しています(記事)。
  • 世界銀行は、ウクライナの緊急支援に総額6億1,000万ドルの資金パッケージを承認しました(記事)。
  • アジア開発銀行は、「アジア経済見通し2022年版(Asian Development Outlook 2022)の定期補足版を発表し、その中で同地域の経済成長率は、今年が4.2%、来年が4.6%となる見通しであるとし、アジア・太平洋地域の開発途上国の経済見通しを下方修正しました(記事)。
  • アフリカ開発銀行は、セネガルの家畜生産性向上支援を目的とした4000万ユーロのプロジェクトを承認しました(記事)。
  • アフリカ開発銀行は、モーリシャスの国別戦略書2022-2027を承認しました(記事)。
  • 米州開発銀行は、雇用に関する調査”Labor Market Observatory”の中で、ラテンアメリカカリブ海地域の雇用回復について論じています(記事)。
  • 米州開発銀行は、1億ドルのプロジェクトを通してバルバドスの政策ポリシーと財政マネジメントを支援します(記事)。
  • ユニセフは、ソマリア・エチオピア・ケニアのアフリカの角地域で旱魃・紛争などが深刻化し、半年で10万人の子供が深刻な栄養不良に陥ったと報告しています(記事)。
  • 国連中央緊急対応基金は、複合的な要因により状況が悪化している南スーダンを支援するために1400万ドルを拠出しました(記事)。
  • 国連は、ハイチの治安回復のために国連加盟国に軍の派遣を呼び掛けています(記事)。
  • 生物多様性会議が開催され、地球上の3割の地域を生物多様性のために保全するという目標が合意されました(記事)。
  • 国連は、シリアで支援を必要としている人の数が12年間続く紛争の中で過去最多となっていると報告しています(記事)。
  • WHOは、水衛生に関する最新の状況を分析したレポートを出版し、進捗の主な遅れの原因は資金不足であると報告しています(記事)。
  • FAOは、ウクライナの農家の25%にロシアの侵攻による農業生産への影響が出ていると報告しています(記事)。
  • ユニセフは、イエメンで2015年から続く紛争により11000人以上の子供が死亡または負傷したと報告しています(記事)。
  • UNFPAは、65カ国の6600万人を支援するために12億ドルのアピールを発表しました(記事)。
  • UNCTADは、国際的な貿易額がインフレの影響などにより低下し始めていると報告しています(記事)。

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– シンクタンク・NGO関連 –

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  • PSEAH(性的搾取・暴力・ハラスメントからの保護)啓発チラシ・ポスターが完成しました(記事)。
  • Oxfamは、生物多様性会議の結果に対して先住民の権利が十分に考慮されていないと批判しています(記事)。
  • Oxfamは、新型コロナに関する知的財産権の取り扱いに関してWTOが果たしている役割は十分ではないと批判しています(記事)。
  • Save the Childrenは、コンゴ民主共和国東部で紛争の激化とともにコレラも広がっていると報告しています(記事)。
  • Save the Childrenは、タリバン政権による女子教育の制限に対して声明を発表しています(記事)。
  • Save the Childrenは、ブルキナファソで食糧不足が発生しており、飢餓の危機に瀕する子供数が向こう半年で`11倍も跳ね上がる見込みだと発表しました(記事)。
  • 英ODIは、カンボジアやラオスなどにおける移民についての報告書を発表しました(記事)。
  • 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、アフリカにおける債務と中国の役割についての報告書を発表しました(記事)。
  • 英サセックス大学IDSのブログで、国際協力業界の2022年を振り返っています(記事)。
  • ブルッキングス研究所は、米国アフリカ首脳会議を受けた協調の強化についての記事を公表しました(記事)。
  • アジア財団は、2023年2月1日付で、ローレル・E・ミラー氏を新理事長兼CEOに任命したことを発表しました(記事)。

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2022年12月27日発行