2005年8月9日号

2005年8月09日発行

http://www.developmentforum.org/
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス

−(dev-info)−

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】 開発フォーラム新着情報チェック:

「WTO新ラウンド交渉」
「「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーン国会集会」
「ミレニアム・サミット関連文書(ドラフト)」
「ODI ブリーフィング−ニジェール食糧危機」

【2】 ワシントンDC開発フォーラムBBL−
   「国際的な援助潮流と我が国のODAへのチャレンジ」(9/6)

【3】 地球に乾杯!NGO: なぜ女子教育が大切なのか?

【4】 ニューヨーク国連フォーラム: カンボジア・フィールドエッセイ

【5】 バングラデシュ・モデル(現地機能強化):
初等教育技プロのプログ開始、共通国別援助戦略、WFPとの連携

【6】 GRIPS 開発フォーラム:PMF (財政管理 – Public Financial Management) 勉強会

【7】 FASID 国際開発研究センター最新情報:
(Commission for Africa、BBL実施報告、国際開発援助動向研究会実施報告)

[編集後記] 「ロビン・クック氏の倫理的外交」

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【1】 開発フォーラム新着情報チェック

Dev−Info 新着情報チェックでは掲載情報を募集して
います。情報掲載を希望する場合は、
info@developmentforum.org までご連絡ください。

−日本関連−

●NGO-JBIC定期協議会が8月23日に東京JBIC本店で開催
されます。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/whats/050719_01.html

●WTO新ラウンド交渉(7月一般理事会等の概要と評価)が発
表されました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/wto/new_round_gh0508.html

●内佐和子経済協力開発機構(OECD)次期事務総長候補記者
会見要旨が発表されました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/takeuchi_ky.html

●「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンと自民・
民主・公明の各党の有志の国会議員約20名による集会が開
催されました。
http://hottokenai.jp/blog/archives/001_campaign_news/000481.html#more

−マルチ・ドナー関連−

●アフリカ連合(AU)特別首脳会議が8月4日(木曜日)、エ
チオピアの首都アジスアベバにて開催されました。
http://www.africa-union.org/home/Welcome.htm

−国連関連−

●9月14日−16日に開催されるミレニアム・サミット関
連文書(ドラフト)が公表されました。
http://www.un.org/ga/59/hl60_plenarymeeting.html

−ワーキング・ペーパー、セミナー報告書−

●英国シンクタンクODI/CPRCから “Policy
Influencing and Media Engagement Resource Pack”が発表
されました。
http://www.chronicpoverty.org/CPToolbox/Dissemination.htm

●同じくODIからニジェールの食糧危機に関するブリーフ
ィングが発表されています。
http://www.odi.org.uk/hpg/papers/HPGBriefingNote4.pdf

● 国連から報告書“World Economic and Social Survey
2005−Financing for Development”が発表されました。
http://www.un.org/esa/policy/wess/

●スウェーデンのNGOからPRSPの文献調査が発表され
ました。
http://www.eurodad.org/articles/default.aspx?id=643

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【2】 ワシントンDC開発フォーラムBBLのご案内

【9月6日(火)】

「国際的な援助潮流と我が国のODAへのチャレンジ」

1.日時: 9月6日(火)午後12時30分より
2.場所: JICA米国事務所・会議室
      1776 Eye Street, N.W. Suite 895, Washington, DC
      Tel: 202-293-2334、Fax: 202-293-9200
3.テーマ: 国際的な援助潮流と我が国のODAへのチャレンジ
4.キックオフ:中尾武彦(在米日本大使館公使)
5.次第: 12:15頃から 食事(各自持参)、適宜自己紹介
12:30頃から キックオフ
     13:15頃から 自由討議(14:00終了)
6.出席方法: 会場準備等の関係上、出席をご希望される
方は9月5日(月)正午までに本フォーラムBBL担当
(江尻:yumiejiridev@aol.com)へご氏名・ご所属先をご
連絡ください。

7.趣旨:
日本のODAは既に50年の実績を持っており、特に東アジア
諸国が発展の基礎となるインフラ整備のための資本と外貨を
必要としているときにこれを補完し、これら諸国の開発と成長
軌道への離陸に大きな役割を果たしてきたと考えられるかもし
れません。

このことは、日本が誇ってよいことであり、開発経済理論の
分野でも、更なる検証、整理(特に英語の文献化が必要)を進
めるべきではないでしょうか。一方で、現在、我が国のODAは、
様々なチャレンジを受けていることも事実です。

国民のODAに対する不満や冷めた見方、財政事情の厳しさ、アジア
の重要な供与先の卒業、アフリカ諸国などの債務問題(融資による
援助が困難)、そして、英国など主として欧州諸国が主導している新
たな国際的援助潮流がよのようなチャレンジとなっています。

新たな援助潮流は、貧困削減、ミレニアム開発目標、アフリカ、グラン
ト重視、制度政策環境、援助協調、政策一貫性などがキーワードとな
っており、従来からの日本の援助哲学と必ずしも背反するものではあ
りませんが、日本のDAのあり方に一定の調整を迫るものでもあるので
はないでしょうか。

本BBLでは、ジュネーブの世界保健機関本部/ストップTBパートナー
シップ事務局においてThe Global Plan策定プロジェクトのコーディネー
ターとして活躍されているDermot Maher氏をキックオフスピーカーとし
てにお招きし、The Global Planについて概説いただいた上で、The Global
Planの実施プロセスにおける日本の役割・貢献について出席の皆様と
のインフォーマルかつ率直な意見交換を行う予定です。

本BBLでは、財務省でのODA政策、国際協力銀行の予算・監督や途上
国の債務問題、IMF、G7、サミットでの豊富な経験をお持ちの、中尾武彦
在米日本大使館公使をお招きし、日本のODAの現状をどう見るか、どのよ
うなチャレンジを受けているのか、新たな援助潮流をどのよ
うに前向きにとらえ、対応していくべきなのか、そして、日
本のODAをより効果的・戦略的なものにしていくには今後どの
ような努力が必要なのか、について出席の皆様とのインフォ
ーマルかつ率直な意見交換を行う予定です。

●参考論稿
中尾武彦「我が国のODAと国際的な援助潮流―特に国際金融の視点から―」
財務省発行誌『ファイナンス』、
2005年1月号(前編)
http://www.grips.ac.jp/forum/pdf05/0501nakao.pdf
2005年3月号(後編)
http://www.grips.ac.jp/forum/pdf05/0503nakao.pdf

【JICA米国事務所ビル管理方針の変更に伴うお願い】

この度のDC区域の警戒レベルの引き上げに伴い、JICA米国事務
所が入っているビルの管理方針が変更になりました。

今後、事務所は、予めビルのフロントに対して来客予定者リス
トを提出し、その上で来客者はフロントの係員にエスコートを
してもらうことが必要となります(エレベーターを動かすため
には、指定のカードキーが必要なため。)

以上を踏まえて、皆様には次についてお願いいたします。

1.事前登録を必ず行ってください。
2.事前登録なしに参加する場合は、11:30までに事務所の中
村次長か村田宛に連絡を入れてください。
(事務所代表電話番号 202-293-2334)
3.上記1もしくは2を行われた方は、フロントに申し出てく
ださい。当面、12:00〜12:30間は事務所のインターンをフロ
ントに配置しエレベーターまでエスコートします。遅れてこら
れた方の場合は、フロントを通じて事務所にご連絡いただくこ
ともあります(フロントの係員がエスコートすることもござい
ます)。
4.念のため、身分証明書をお持ちください。
5.上記を行われていない方は、フロントを通じて事務所にご
連絡ください。フロントにインターンがいる場合には、申し出
てください。

尚、上記の管理方針変更については期限未定とのことです。皆
様にはお手数をお掛けいたしますが、どうぞご協力お願い申し
上げます。

〈BBL担当:江尻由美〉

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【3】 地球に乾杯!NGO: なぜ女子教育が大切なのか?

新着コラムは下記のとおりです。

●8月1日/女子教育とは(利根川 佳子)
→昨夏、ユニセフ・エチオピア事務所の女子教育プログラムのインターンシップを
行った。そして女子教育に取り組む意義について、出生率減少や子供の健康など女
子への教育がもたらす利点を促すと共に、女子教育によって教育の質全体を上げる
ことになり、より快適な環境で女子も男子も教育を受けることができるようになる
と考えるに至った。
http://mywebpages.comcast.net/NGOcolumn/050801yt.html

(「地球に乾杯!NGO」コラム発起人:杉原ひろみ)
 http://e-NGO.net
 http://e-ngo.cocolog-nifty.com/blog/

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【4】 ニューヨーク国連フォーラム: カンボジア・フィールドエッセイ

ニューヨーク国連フォーラムではフィールドエッセイ第一回
(UNDPカンボディア・小西洋子さん)が投稿されました。以
下のウェブサイトまたはブログサイトにてご覧ください。

ウェブ:
http://unforum.org/
ブログ:
http://nyunforum.blogspot.com/

(NY国連フォーラム担当:中村秀規)

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【5】 バングラデシュ・モデル(現地機能強化):
初等教育技プロのプログ開始、共通国別援助戦略、WFPとの連携

●当地のJICA技術協力プロジェクト「バングラデシュ小学校理数科教育強化計
画」では、活動状況を伝えるためのブログ(Weblog)を立ち上げ、試験公開して
います。
http://blogs.yahoo.co.jp/b_smile2005/
近日中にJICAの公式ウェブに移転する方向で調整中です。これを皮切りに、当
地の全ての技プロにそれぞれブログを立ち上げられないか、検討を始めていま
す。現地を核にした情報共有・発信を更に推進していきます。

●世銀・ADB・DFID・日本の共通国別援助戦略について7月中旬に行ったプレ
ゼンテーション資料が、現地ドナー調整グループ(LCG)のウェブサイトに掲
載されました。
http://www.lcgbangladesh.org/aidgov/JointStrategyForBangladesh_July17.pdf
共通国別援助戦略の趣旨説明は次の通りです。
http://www.lcgbangladesh.org/news/Joint%20Strategy%20Note.htm
日本の国別援助計画を、援助協調の中でどのように互恵的に生かしていくかが
課題です。

●6月25日、堀口駐バングラデシュ大使とクーツ世界食糧計画(WFP)バングラ
デシュ事務所長は、WFPを通じての日本の洪水被災地支援のサイト視察を行い
ました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/pr_wfp250605.pdf
その様子がWFP駐日事務所のホームページに先般掲載されましたが、同サイト
は、バングラデシュも含め、WFPの世界中の活動がよくわかるものです。
http://www.wfp.or.jp/gallery/photo.php?year=2005
国際機関との連携を現地で効果的に推進することも課題です。

(バングラデシュ・モデル運営委員会担当:紀谷昌彦)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/bdmodel/

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【6】 GRIPS 開発フォーラム:PMF (財政管理 – Public Financial Management) 勉強会

7月27日に「ミネルヴァのふくろう」代表取締役・尾崎隆夫氏をお招きして、「『国
造り』に対する公共財政管理支援の戦略的配置(序説)」というタイトルで勉強会を
開催いたしました。PFMについて一つ一つ解説をしたうえで、PFMサイクルで障害とな
りがちな問題・課題を探りながら日本にできる支援は何か、20名弱の外部参加者を交
えて議論が交わされました。議事録を当日の配布資料と併せてウェブに掲載いたしま
したので、是非ご一読ください。

議事録(pdfファイル、33KB) 
http://www.grips.ac.jp/forum/pfm/No2/gijiroku.pdf
発表資料(pdfファイル、324KB) 
http://www.grips.ac.jp/forum/pfm/No2/attach2.pdf

(GRIPS開発フォーラム担当:鈴木明日香)
http://www.grips.ac.jp/forum/

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【7】 FASID 国際開発研究センター最新情報:(Commission for Africa、
BBL実施報告、国際開発援助動向研究会実施報告)

●文献紹介掲載
 菅野悠紀雄教授(政策研究大学院大学)による
 『Commission for Africa』報告書の文献紹介No.52を掲載しました。
 下記ウェブサイトをご覧下さい。
  http://dakis.fasid.or.jp/report/pdf/BriefingReviewNo52.pdf

●ブラウン・バッグ・ランチ報告書掲載
 第132回BBL(2005年7月25日開催)
 「グレンイーグルズ・サミットにおける開発問題」
 (講師:外務省経済協力局参事官 佐渡島 志郎氏)
 の報告書、関連資料を掲載しました。下記ウェブサイトをご覧下さい。
  http://www.fasid.or.jp/chosa/forum/bbl/pdf/132_r.pdf

●「国際開発援助動向研究会」議事録掲載
 第42回「国際開発援助動向研究会」(2005年7月8日開催)
 「アジアPPPと新たな開発ファイナンスの展望」
 (発表者:経済産業省 貿易経済協力局
     大臣官房企画官/国際・通商金融担当 前田 充浩氏)
 の議事録、関連資料を掲載しました。下記ウェブサイトをご覧下さい。
  http://dakis.fasid.or.jp/report/minutes.html

 ※「国際開発援助動向研究会」とは、FASIDの研究事業の一環として
  開発援助に係る今日的な課題の考察を促進するために、政府ODA担当者、
  実務家、研究者、学者等を招いて、月に1、2回開催している会合です。
  毎会合の議事録及び配布資料をウェブサイトに掲載し、情報発信して
  いますので、是非ご覧下さい。

(FASID国際開発研究センター担当:今井あい)
http://www.fasid.or.jp/
http://dakis.fasid.or.jp/index.html

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[編集後記]  「ロビン・クック氏の倫理的外交」

先週末、イギリス労働党ブレア政権の元外相で、2003年にブ
レア政権のイラク戦争開戦方針に抗議して辞任するまで下院
院内総務を務めたロビン・クック氏が他界するという報道が
ありました。

1997年にブレア政権の外相に就任するや、「倫理的外交
− ”ethical dimension” to foreign policy」なるものを
打ち出します。この「倫理的外交」という考え方がもともと
ロビン・クック氏のものであったか、労働党の躍進のブレイ
ンといわれるアンソニー・ギデンズ元ロンドン経済・政治学
院学長が生みの親であったかは定かではありませんが、極端
に簡単に言えば、外交は人権的配慮、国際法に基づいて行わ
れるべきだ、という理想主義的な考え方です。

外交・外交政策において人権的配慮や国際法の精神を唱える
ことは、決して新しいことでもなんでもありませんが、人権
的配慮を形式的にではなく、実践的に外交政策の立案に使お
うとしたのが、ロビン・クック氏であります。

そんなクック氏の「倫理的」なアプローチを真似て、日本は
「倫理的なODA (ethical ODA)」という政策ブランドを
独自に打ち出してはどうか、と勝手気まま・個人的に思考を
巡らしていたのが2000年代初頭の私であります。日本の「倫
理的なODA」は政策案として立ち上がる以前に、政策論に
もなりませんでしたが。クック氏の倫理的外交はどのように
評価されるべきでしょうか。彼の試みを評価するにはまだ時
間が早すぎる、というのが正直なところでしょうか。早い死
が惜しまれます。(早川)

***DC開発フォーラム「情報サービス(dev-info)」と
「メーリングリスト(devforum)」***

ワシントンDC開発フォーラムでは、本フォーラムBBL関連情報
(案内・レジュメ・議事録)をはじめとする活動情報に加
え、グローバルな開発戦略と日本の関わりに関する主要な情
報を、「ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
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に送付しています(メルマガと同じです)。バックナンバー
はこちらです。http://groups.yahoo.co.jp/group/dev-info/

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また、本フォーラムでは、毎回のBBLについての意見交換の
他、より広くグローバルな開発戦略と日本の関わりに関する
意見交換や情報交換を行うために、「ワシントンDC開発フォ
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相互の信頼関係に基づく率直かつ真剣な意見交換を確保する
ため、本メーリングリスト参加者は氏名・所属を明らかにす
るとともに、発言者の了承がない限りメディア等での引用が
されないようご配慮いただきます。本メーリングリストへの
参加をご希望の方は、次のウェブサイトに掲載している
「devforum参加者の共通理解」に目を通していただいた上
で、上記連絡担当まで氏名・所属・電子メールアドレス・問
題関心をご連絡ください。
http://www.developmentforum.org/mail/

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いてご意見・ご示唆等ありましたら、お気軽に上記連絡担当
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編集担当:野口 泰
編集担当補佐:早川 元貴
編集後記:早川 元貴
発行:ワシントンDC開発フォーラム