2010年10月26日号(IMF改革、COP10、G20、他 )

                       2010年10月26日発行
                        http://www.devforum.jp/
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    ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス

          -(dev-info)-

    皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】 開発フォーラム新着情報チェック:
    
  「生物多様性条約第10回締結国会議開催」
「20か国財務大臣・中央銀行総裁会議」
「報告書Open Budget Survey 2010」

【2】 GRIPS開発フォーラム:
  ●シンガポール産業政策調査 報告書掲載
●第9回エチオピア出張 報告書掲載
  ●第11回「アフリカ産業戦略勉強会」開催:11月4日(木)

[編集後記]     里山から考える日本の援助

     今週は環境ネットワークの小林隼人さんの担当です。

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【1】  開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev−Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘ info@devforum.jpまでご連絡ください。

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-日本関連-
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● 生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)およびカルタヘナ議定書第5回締結国会議
(COP-MOP5)が、名古屋にて開催されています。
http://go.worldbank.org/KOVLVZY5K0 

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-その他のバイドナー-
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● DFIDは、ODA予算のGNI比が2013年に0.7%に達すると報告しています。
http://www.dfid.gov.uk/Media-Room/Press-releases/2010/Spending-Review-2010/

●OECD・DACから過去50年の政府援助の統計が発表されています。
http://www.oecd.org/document/41/0,3343,en_2649_34447_46195625_1_1_1_37413,00.html

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-マルチ・ドナー関連-
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●生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にて、27日から始まるハイレベル・セグメントには
ゼーリック総裁が世銀総裁として初めて参加します。
http://go.worldbank.org/KOVLVZY5K0

●世界銀行におけるサブサハラ・アフリカ諸国を代表する理事が一名増設されることが決定しました。
結果的に25人の世銀理事のうち、サブサハラ・アフリカ諸国代表理事は3名となります。
http://go.worldbank.org/M2CKDZU6B0

●韓国の慶州で開催された20か国財務大臣・中央銀行総裁会議のコミュニケが発表されています。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/g20_221023.htm

●G20ではIMFの改革についても話し合いがもたれました。
http://www.imf.org/external/pubs/ft/survey/so/2010/NEW102310A.htm

●11月11−12日、韓国ソウルにて20カ国・地域(G20)首脳会合が開催されます。
http://www.g20.org/index.aspx

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-国連・関連-
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●10月24日は「国連デー」でした。この日にちなみ、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長より
メッセージが発表されました。
http://unic.or.jp/unic/press_release/1864

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-シンクタンク関連-
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●米国NGOからOpen Budget Survey 2010が発表されています。
http://www.internationalbudget.org/what-we-do/open-budget-survey/

●英国サセックス大IDSより、Global Poverty and the New Bottom Billionが発表されました。
http://www.ids.ac.uk/go/news/the-new-bottom-billion

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【2】 GRIPS開発フォーラム:
  ●シンガポール産業政策調査 報告書掲載
●第9回エチオピア出張 報告書掲載
  ●第11回「アフリカ産業戦略勉強会」開催:11月4日(木)
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○●シンガポール産業政策調査●○

GRIPS開発フォーラムの大野健一、大野泉、上江洲佐代子は、JICA調査の一貫で、2010年8月29日〜9月3日にシンガポールを訪問し、同国の生産性向上運動の経験、技能向上、産業政策の策定・実施の制度的側面について調査しました。ベトナムとエチオピアの研究者も参加し、途上国の視点からシンガポールの産業政策を学ぶ機会にもなりました。シンガポールは、80年代に日本の協力を通じて生産性向上運動を導入、強い政治的リーダーシップや国家レベルの協議会の設置等の努力を通じて、その内部化・制度化に成功し、今では生産性向上に関する国際協力に積極的に取り組んでいます。ぜひご一読ください。
http://www.grips.ac.jp/forum/af-growth/support_ethiopia/document/2010.08_Spore/report.pdf
(出張報告)

○●第9回エチオピア出張報告●○

GRIPS開発フォーラムの大野健一、大野泉、上江洲佐代子はJICAチームと共に、2010年10月3〜8日にエチオピアを訪問し、 日本・エチオピア二国間の産業政策対話を継続実施しました。新政権発足直後にメレス首相との会見や第6回ハイレベルフォーラム等を通じて、今後5ヵ年の経済政策について情報収集・意見交換できたことは大変有意義でした。またハイレベルフォーラムでは、エチオピアのカイゼン普及・制度化の参考に資するために、8月末にGRIPSが実施したシンガポール生産性向上運動の経験を紹介しました。アフリカ連合(AU)他が主催した産業開発ワークショップにも参加し、日本やJICAの中小企業支援(JICA産業開発部・島田課長)、東アジア型の発想による産業政策について発表しました。ぜひご一読ください。
http://www.grips.ac.jp/forum/af-growth/support_ethiopia/document/2010.10_ET_TZ/9ET_reportOct10.pdf
(出張報告)

http://www.grips.ac.jp/forum/af-growth/support_ethiopia/support_ethiopia.htm
(エチオピアとの産業政策対話HP)

○●第11回「アフリカ産業戦略勉強会」開催のご案内 ●○  
■日時:2010年11月4日(木)18:30〜20:00

■スピーカー:菊地隆男氏 (開発コンサルタント)

■テーマ:「アンゴラの民間セクター開発:石油と中国の後に」

 1975年の独立後、1992年の停戦をはさみ、2002年の内戦終了まで、27年にわたる混乱を経験したアンゴラ。その後、各国からの外国直接投資と貿易自由化をてこに、堅実な経済成長を続けています。特に、石油収入は、GDPの50%、国家予算歳入の80-85%、輸出の90-95%を占め、貿易の原動力となっています。実際、ナイジェリアと並び、サブサハラアフリカ1-2位を争う原油輸出国となっています。
特に、中国に対しては、中国の原油輸入量全体の19%を輸出し、最大の原油供給国となっています。中国は、石油を担保にしたクレジットラインをアンゴラ政府に68億ドル提供しており(一説には、190億ドルとも言われている)、ひもつきの融資をてこに、JV設立、インフラ進出、中国国際基金(CIF)及び国家再建機関(GRN)を通じ、深くアンゴラ政権中枢に食い込んでいます。

一方、アンゴラの石油確認埋蔵量は、比較的少ないため、2015年には生産ピークを迎えると言われています。そのため、アンゴラ政府は、「石油」をカードとしながらも、長期的な「脱石油」産業政策を求められています。「産業の多様化」と「輸入代替工業化」は、その中核を成すものです。
 そうした背景の中で、日本は、アンゴラとどのように向かい合っていくべきなのでしょう。日本の官民の関わりを最新の資料で紹介するとともに、アンゴラ政府の側から、その動きがどのように受け取られているのか、多角的に分析します。アンゴラ政府に翻弄されず、カントリーリスクをマネージメントして、BOPを含めたビジネスを通じ、貧困削減を進めていくための判断指標を提供します。
■会場:政策研究大学院大学1階 会議室1A&1B
〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1
a.都営大江戸線 六本木駅 徒歩5分
b.東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩10分
c.東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩6分
http://www.grips.ac.jp/forum/newpage2008/contact.htm
■ 申込方法
※ご出席いただける方は、氏名、所属先を明記の上、飯塚(m-iizuka@grips.ac.jp)宛に、件名を『第10回「アフリカ産業戦略勉強会」』としてご連絡ください。
(お車でお越しの場合は、本学セキュリティの関係上、車種、ナンバー及びお車の色を事前にご連絡下さい)
■前回まで(第1回〜第10回)の勉強会資料・議事録等は下記の「アフリカ産業戦略勉強会」サイトからご覧になれます。http://www.grips.ac.jp/forum/newpage2008/industrialstrategy.htm

また、勉強会の内容に関するご質問は、GRIPS開発フォーラム・上江洲(うえす)(s-uesu@grips.ac.jp)までご連絡くださいます様よろしくお願いいたします。

(GRIPS開発フォーラム:林田篤子)
http://www.grips.ac.jp/forum/

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編集後記   里山から考える日本の援助
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日本では、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催中です。
自然との共生をテーマに「里山イニシアティブ」が採択される見込みですが、
「里」や「野良」という日本語には、人と自然の間に無理やり境界線を引くのではなく、
あいまいな距離を保ちながら良い関係を築いていく知恵が隠れているように感じます。

人間の活動が地球のすみずみまで拡がった現在、人と自然を切り離して
自然を守ろうとするのは最早有効ではありません。サルやクマが街中に出没する時代に合った、
人と自然の新しい関係を考えることが必要ですが、里山という日本発のコンセプトには
そのためのヒントが詰まっています。

日本発、といえば、ロンドンではIDDPの今年度第1回目となる勉強会が、
「日本の援助の付加価値とは何か」をテーマに開催されます(http://iddp.dreamblog.jp/)。
「顔が見える」援助の必要性が叫ばれて久しいですが、どんな顔を見せたいのか、
日本ならではの顔の形を考えるヒントになりそうな勉強会です。様々なドナーやNGOなどが
それぞれの強みを生かして貢献することで、この業界の「生態系」もより多様で豊かなものに
なっていくはずです。(小林)

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編集担当:早川元貴/江尻由美/小林隼人
編集後記: 小林隼人
発行:ワシントンDC開発フォーラム