第9回(2012/1/26)「官民の垣根を越えた自発的ネットワークによる東日本大震災の支援:プロジェクト結(ゆい)のアプローチと経験、今後の課題」

ワシントンDC開発フォーラムでは1月26日(木)に、第9回ワークショップを世界銀行の会議室で開催し、約30名が参加しました。また、今回からUstream配信も行い、約40名の方が視聴しました。今回は被災した子どもの学びと遊びをプロボノ中心で支援する「一般社団法人 結コンソーシアム」の長尾彰理事長、中川綾理事、荻原直紀副理事長をスピーカーとして迎えました。
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まず長尾さんが活動地域である石巻市の状況について説明しました。石巻市では3,280名が死亡、579名が依然として行方不明となり、7,297世帯、約20000人以上の方が仮設住宅に住んでいます。このため、子ども達が遊んでいた公園などの公共の場所には仮設住宅が設けられています。さらに、子ども達の中には1時間程離れた仮設住宅から、元々通学していた学校に通っている子ども達もいます。このため、子ども達が遊ぶ場所も時間も限られたものとなっています。
次に中川さんがプロジェクト結の活動を説明しました。阪神淡路大震災の教訓から仮設住宅にはコミュニティ形成の場が設けられています。プロジェクト結は、ここを遊び場、学び場、話す場として活用しています。具体的には、縫い物・日曜大工教室・花を植えるといった活動を展開しています。
さらに、プロジェクト結の学校支援活動の説明も行われました。震災の影響で授業の進度に遅れが出ているため、教員が授業に集中できるような支援を行っています。ここでは、物資や本の整理、安全マップの作成、生徒達の委員会活動の支援などを行っています。これらの活動に加えて、総合学習の時間と職業講話のような企業のCSR活動をつなぐ事も行っています。
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質疑応答では、被災地で瓦礫撤去など男性向けの労働需要が大半を占める中でどのようにプロジェクト活動を通じて女性の雇用を創出するか、震災孤児への対応、プロジェクトの持続可能性と出口戦略、支援物資に関する需給のミスマッチ、などについて議論が交わされました。ワークショップ終了後には会場で懇親会を開催しました。懇親会には約20名が参加し、活発な意見交換や議論が交わされました。
今回のUstream配信が好評であったため、今後も可能な限りワシントンDCでの議論をUstream配信を通じてお届けしていこうと思います。

2 thoughts on “第9回(2012/1/26)「官民の垣根を越えた自発的ネットワークによる東日本大震災の支援:プロジェクト結(ゆい)のアプローチと経験、今後の課題」

  1. Dev Fファン

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    U stream配信のみならず、是非ビデオもアップしてください。

  2. 長尾彰

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    プロジェクト結の長尾です。先日はお忙しい中、多くの方にお話を聞いていただく時間を頂戴し、ありがとうございました。
    お話させていただいた通り、被災地での子どもたちを取り巻く環境は、まだまだ「復興」とは到底呼べない状況です。
    今後もお力添えを賜りたく、引き続きのご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。