第250回BBL開催報告:2月10日(水)「JICAの公共財政管理 (PFM: Public Financial Management), その機能と事業実施」

2016年2月10日、DC開発フォーラムでは馬杉学治、渡邉竜介両氏(JICA行財政・金融チーム)をお迎えして「JICAの公共財政管理 (PFM: Public Financial Management), その機能と事業実施」をテーマにBBLを開催しました。

プレゼンの主な内容は以下の通りです。

  • PFMとは公共部門におけるお金の流れを管理しPMFの3つの原則を守れるようにするのが目的
    • 公共部門のお金の流れ: 財政計画 → 予算編成 → 予算執行 → 経理調達 → 会計報告 → 監査
    • PFMの 3つの原則: 財政規律、資源の戦略的配分、効率的なサービスデリバリーの実現
  • 途上国におけるPFM上の代表的な問題
    • 歳入計画が甘く財政赤字が生じる。
    • 政治的な理由で補正予算の編成が過度に繰り返される。
    • 開発計画の重点分野や優先順位にそった予算配分が行われない
    • 後年度負担を考慮しないなど中期的視点が欠けている。
    • 資金配分の不確実性が高く、適切な資金計画が策定・実施されていない。

質疑応答では参加者との活発な議論・意見交換も行われました。以下は要約です。

  • 会計システムの技術導入等JICAが支援する事はあるのか?
    • 相手国から新しいシステム導入等の依頼の可能性ある。
    • ガーナでは中央省と地方の出先機関との財政やり取りをスムースにする為に地元企業にシンプルなシステムを作ってもらい導入するというプロジェクトがある。
  • 公的資金に対するマインドセットを変える戦略は?
    • プロジェクトをなるべく現地のニーズとキャパシティに合わせる。
    • ホンジュラスの成功例:プロジェクトのオーナーシップを現地の人に移した結果、本プロジェクトは動いている。
    • マネージメント層を日本に呼んで日本ではどの様な仕組みが動いているか学ぶ機会を作り、ローカル化してもらう様に促す。

またThe Porveristにも本BBL関連記事が掲載されておりますので、ぜひご覧ください。