Nov.25 issue

ワシントン DC開発フォーラムの皆様

今回のご連絡(11/25付)は以下の10点です。

【1】次回BBL等のご案内:「栃迫さんのマイクロ・ファイナンスの旅」(12/3)
【2】BBLのご報告:「平和構築へのより効果的な貢献-現場の視点から考える」(10/29)
【3】地球に乾杯!NGO:東チモールで活動する日本のNGO/ボランティアとは
【4】アフリカネットワーク:アフリカ地域機構、ECOWAS、紛争予防他
【5】GRIPS開発フォーラム
【6】サセックス通信更新情報
【7】バングラデシュ・モデル:現場での援助協調の課題、初等教育の寄稿
【8】パリ通信:DACアイルランド援助ピアレビュー
【9】「国際協力事業団年報2003」発行(特集:新生JICA)
【10】開発援助の新しい潮流:文献紹介掲載 (FASID)

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【1】次回BBL等のご案内:開発フォーラム・国際金融情報センター(JCIF)共催
朝食会のご案内:栃迫さんのマイクロ・ファイナンスの旅(12/3)

1.テーマ:彼のマイクロファイナンスへの旅: 元・日本の銀行マンが
    貧困層を助ける新しいビジネスモデルを始めたわけ
2.キックオフ:栃迫篤昌氏(マイクロファイナンス・インターナショナル・
        コーポレーション及びマイクロマノス社長)
3.日時:12月3日(水) 午前8時から9時半
4.場所: JCIFワシントン事務所
   900 17th Street, N.W. Suite 603, Washington, DC
   Phone: 202-822-9635、Fax: 202-822-9641
5.趣旨:
元・日本の銀行マンの栃迫(とちさこ)さんは、銀行を退職後研究を重ね、
当地でマイクロファイナンスの会社をこのほど立ち上げました。
この会社は栃迫さんの10年来の夢の実現なのだそうです。
彼のビジネス・スキームはインターネット技術の活用により、従来の送金インフ
ラに頼ることなく、出稼ぎ労働者の本国送金を極めて安い価格で
実現しようとするものです。彼の事業構想は、出稼ぎ労働者の為替送金を
安価に実現するサービスのみならず、本国送金資金の「たまり」を使った
本国零細事業者への現地中小金融機関を通じる転貸スキームや、さらに
転貸スキームでできた貸付債権を国際機関などの信用補完により証券化する
ところにまで進んでいます。
移民送金を担保にした債券スキーム等は、細る公的援助フローに代わる
「開発金融の切り札」として90年代はじめから議論されてきました。しかし
その実現に至る道筋はなかなか細いのが現状です。ひょっとしたら、
同氏の試みは移民送金をベースにした途上国への資金フローの安定化に
新たな道筋をつけるかもしれません。
もちろん、同氏の会社は産声を上げたばかりで、資金調達や規制との整合性
など、課題山積です。しかし、ややもすると公的資金を流し込むだけ、
という批判の強いマイクロファイナンスの世界で新しい発想が元・日本の
銀行マンから飛び出したのは勇気付けられる思いです。
この朝食会では栃迫さんに、同氏がなぜこの事業をやろうと思うに至ったか、
そして、そのスキームはどのように考え出されたか、また、どのような困難
に現在直面しているのか、そして、このスキームは貧困削減にどのような効果を
もたらし得るのか、などについてお話いただく予定です。
6. 出席を希望される方は、Ms.Liu Chang(日本語可、phone 202-822-9635、
e-mail jcif06@worldnet.att.net mailto:jcif06@worldnet.att.net)まで連絡をお願いします。
7. この朝食会はワシントンDC開発フォーラムと国際金融情報センター
(JCIF)ワシントンDC事務所「質素な朝食会」シリーズとの共催です。

【2】BBLのご報告:「平和構築へのより効果的な貢献-現場の視点から考える」(10/29)

10月28日BBL「平和構築へのより効果的な貢献−現場の視点から考える−」の
記録をウェブに掲載しましたのでお知らせします。
http://www.developmentforum.org/records/summary031028.htm

【3】地球に乾杯!NGO:東チモールで活動する日本のNGO/ボランティアとは

新たに次のコラムを掲載しています。

●11月24日/ティモール・ロロサエから(6) (鈴木 恵子)
→東ティモールにはNGO連合組織・NGOフォーラムの加盟団体だけでも、
 国際NGOが120、東ティモールのNGOが215あると言われています。
 日本の団体も多く、(財)オイスカもその一つです。オイスカの東ティモール
 での活動はインドネシア時代にさかのぼり、今年から農業研修センターが
 再開され、現在、農業指導研修を中心に活動しています。
 http://mywebpages.comcast.net/NGOcolumn/031124ks.html

●11月17日/ボランティアとは?:事前研修 in USA (岩岡 いづみ)
→米国・NGOの1年間のボランティアプログラム(ジンバブエ)に参加しました
 が、最初に向かった先はジンバブエではなくアメリカでした。ノルマを課せら
 れた募金活動をする中で、ボランティアとは自分が費用を払ってでも何かを
 学びたいという熱意であり、自分にできることを見つけ出そうとする意思で
 成り立っているのではないかと思うようになりました。
 http://mywebpages.comcast.net/NGOcolumn/031117ii.html

(「地球に乾杯!NGO」コラム発起人:杉原ひろみ)
 http://e-NGO.net

【4】アフリカネットワーク:アフリカ地域機構、ECOWAS、紛争予防他

10月8〜14日:アフリカ開発銀行が社会インフラ以外の緊急人道援助や
ガバナンスなどの社会分野への資金援助、融資を認可した案件が多く
見られました。また、安全保障分野では国連がECOWASの紛争解決機能強化
を促しています。これらは、アフリカの地域機構がNEPADの目標達成に向け、
協調姿勢を強めているとも読み取ることができると思います。また、スーダンや
ウガンダで人道状況が悪化しており、特に子供への影響が懸念されます。
http://www.developmentforum.org/africa/Weekly%20Updates/Nov8-14_03.htm

11月15〜21日:国連がアフリカの平和構築、紛争予防に関して重要な役割を
果たそうとしているニュースが多くありました。また、ノルウェーと中国が
アフリカ平和基金へ資金供与しています。また、アフリカ諸国は、関税撤廃や
債務帳消しなど、アフリカ経済成長のための施策を先進諸国、世界にアピールしています。
http://www.developmentforum.org/africa/Weekly%20Updates/Nov15-21_03.htm

外務省は17日、ミレニアム開発目標(MDGs)、アフリカ開発会議(TICAD)、
アフリカ向けODA、用語解説などをまとめたパンフレットを発表しました。
「数字で見る日本の対アフリカ協力−ともに未来へ。日本とアフリカ。」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/africa/africa_pamph/index.html

(アフリカ・ネットワーク・フォーカルポイント:粒良麻知子、アフリカ関連ウェブ・サイト新着情報:位田和美)

【5】GRIPS開発フォーラム

今年9月に発行されたPRSPプログレス・レポートについて
当方でまとめた概要を掲載しました。今回のプログレス・
レポートではPRSPの進捗状況と併せてPRSP諸原則に係る
現状分析を行っており、世銀・IMFの今後の課題について
示唆を与えています。
http://www.grips.ac.jp/forum/2003/prspprogress.htm

(GRIPS開発フォーラム:鈴木明日香)
http://www.grips.ac.jp/forum/

【6】サセックス通信更新情報

第2回 『ガバナンスと開発』プログラムについて(黒田孝伸)
2000年10月に開講された今年度で開講4年目を迎えた新しいコース。
ガバナンス・政治・開発、グローバル・ガバナンス、社会のエンパワメント、公
共管理・機構などを学ぶ。
http://www.developmentforum.org/sussex/002.htm

第3回 IDS開発学修士課程(MPhil)について(園田智也)
開発の理論を経済学や社会学、人類学の視点を取り入れ学際的かつ体系的に学ぶ
2年プログラム。「グローバリゼーション」、「貿易と財政管理」、「環境問
題」、「公共部門の経営管理」、「ジェンダー」、「参加型開発」などの授業も
ある。
http://www.developmentforum.org/sussex/index.htm

(サセックス通信担当 灘本 智子)

【7】バングラデシュ・モデル:現場での援助協調の課題、初等教育の寄稿
11月17日のバングラデシュ開発援助勉強会では、JICA企画調整員の岡実奥氏よ
り、「バングラデシュの現場で『援助協調』につき考える」と題するプレゼン
テーションが行われました。日本の課題について、現場の個人レベル(属人
性)、現場の政策レベル(説明責任)、東京の政策レベル(方向性)の3点に
つき問題提起がありました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/BDMODEL/oka.doc

また、JICA専門家の荻野有子氏による「バングラデシュ初等教育分野における
現地ドナー協調について」と題する寄稿及び基礎資料をウェブサイトに掲載し
ました。援助協調を行うに際して、タイミングを失することなく、早期から明
確なコミットメントを持って参画することが効果的であること、そのためには
日本側での準備と決意が不可欠であることなどの教訓が盛り込まれています。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/BDMODEL/oginopedp2.doc
http://www.bd.emb-japan.go.jp/BDMODEL/pedp2.doc

その他、開発援助における現地機能強化の新たな試みの一環として、多くの資
料をウェブサイトに掲載しています。(先般立ち上げた試行版は、このたび在
バングラデシュ日本大使館のウェブサイトに移管されました。)ワシントンは
じめ東京や途上国現地等の開発関係者との連携を進めていきたいと考えており
ますので、ご関心のある方は是非ご覧いただければ幸いです。

(フィールド担当:紀谷昌彦)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/bdmodel/

【8】パリ通信:DACアイルランド援助ピアレビュー

11月17日、DACの対アイルランド援助ピアレビューが開催されました
(審査国はスイス、ベルギー)。2003,4年の予算状況から、モンテレイ時に
表明した2007年までのGNI比0.7%達成に対する懸念が表明された他、
多年度に渡るODA予算編成の再導入、NGOとのより戦略的な連携等が
勧告として指摘されました。なお、対日本の援助ピアレビューは、12月12日に
パリで開催される予定です(審査国は米、EC)。
http://www.oecd.org/document/41/0,2340,en_2649_37413_19758249_1_1_1_37413,00.html

OECD代表部 菅原(卓)

【9】国際協力事業団年報2003」発行(特集:新生JICA)

本書は、国際協力事業団最後の年報として、独立行政法人化や平和構築を中心に、
2002年度の事業実績と活動内容をまとめたものです。
http://www.jica.go.jp/about/ann2003/02list1.html

【10】開発援助の新しい潮流:文献紹介掲載 (FASID)

「アメリカ国務省・USAID 中期政策: Security, Democracy, Prosperity Strategic Plan Fiscal Year 2004-2009」
 ミレニアム挑戦会計(MCA)イニシアティヴの発表等、米の開発援助政策が変換期に
ある中、国務省とUSAIDにより発表された本レポートの概要が紹介されています。

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このワシントンDC開発フォーラム・情報サービス(dev-info)では、ブラウン
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