9/21付

ワシントン DC開発フォーラムの皆様、

今回のご連絡(9/21付)は以下の13点です。

【1】開発フォーラム新着情報チェック:

「JICA報告書−保健医療分野におけるセクター・プログラムの動向」
「朽木 昭文著−貧困削減と世界銀行」
「OECDワークショップ−地方分権と貧困削減」
「国連報告書−ミレニアム目標に向けた国際社会の取り組み」
「ODI報告書−Aid to ‘Poorly Performing’ Countries」、他

【2】 ワシントンDC開発フォーラムBBLのご案内:

「地球温暖化対策を新しい開発ツールとして如何に活用するか」(9/24)
稲田 恭輔氏 (JBIC企業金融部調査役)

「平和構築に日本のODAで何ができるか」(9/27)
吉田 鈴香氏(フリージャーナリスト)

「キャパシティービルディングを中心とした日本型協力の成果と課題」(9/29)
     加藤 宏氏(JICA企画調整部グループ長)

【3】 ワシントンDC開発フォーラムウェブ更新:「中南米地域へのJICAの協力」

【4】 保健ネットワーク・ブログサイト立ち上げのご案内

【5】 地球に乾杯!NGO: アフリカの開発/市民社会

【6】 教育ネットワーク: 「セクターワイドアプローチと日本の選択」他

【7】 バングラデシュ・モデル(現地機能強化):貿易・投資、洪水支援他

【8】 アフリカ・ネットワーク: アフリカ連合 (AU)、スーダン 他

【9】 ラテン・アメリカ・ネットワーク: 小泉首相、中南米訪問

【10】 DFID通信更新情報:国際人口開発会議 (ICPD)10周年と採取産業の透明性イニシアティブ (EITI)

【11】 FASID国際開発研究センター最新情報 (国際平和協力人材育成シンポ、UNIDO、エイズ問題)

【12】 開発質問箱:第10問「NGO・国際機関・先進国の援助のどれが一番
途上国の人たちの役に立っているのですか?」

【13】 UNOPS東京事務所プロジェクト連絡調整スタッフ募集

[編集後記] ミネルヴァのふくろうは黄昏に飛び立つ

今回の担当は、リエゾン・グループの緒方 健太郎さんです。

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【1】 開発フォーラム新着情報チェック

−日本関連−

●JICA客員専門員報告書「Early Childhood Developmentの支
援に関する基礎研究」が発表されました。
http://www.jica.go.jp/activities/report/kyakuin/200408_02.html

●JICA客員専門員報告書「保健医療分野におけるセクター・
プログラム・アプローチの動向」が発表されました。
http://www.jica.go.jp/activities/report/kyakuin/200103_13.html

−開発銀行関連−

●世銀の貧困削減戦略を分析した朽木 昭文氏(アジア研究
所 研究企画部長)の著書 「貧困削減と世界銀行−9月11日米
国多発テロ後の大変化」 が発行されました。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Books/Mirume/107.html

●OECD・DAC主催の地方分権と貧困削減をテーマにし
たワークショップが9月29日からパリで開催されます。
http://www.oecd.org/document/13/0,2340,en_2649_37413_33683789_1_1_1_37413,00.html

−バイ・ドナー関連−

●英国Development Studies Associationから開発プログラム
のガイド“Guide to Development Studies Courses in UK
and Ireland”が発表されました。
http://www.devstud.org.uk/courseguide/index.htm

●米国国務省からスーダン情勢の報告書“Documenting
Atrocities in Darfur”が発表されました。
http://www.state.gov/g/drl/rls/36028.htm

−国連関連−

●国連事務総長はミレニアム目標に向けた国際社会の取り組
み状況に関する国連事務局の報告書が発表されました。
http://www.undp.org/mdg/SG_MDG_Report.pdf

●NGOのためのミレニアム開発目標インターネット・ポー
タルが発表されました。
http://www.un-ngls.org/mdg.htm

●第59回国連総会が9月21日から始まります。
http://www.un.org/ga/59/

●ユネスコ主催の国際教育会議が9月8日からジュネーブで
開催されました。
http://www.ibe.unesco.org/International/ICE47/English/index_ICE47.htm

●国際労働機関主催の会議”A Fair Globalization:
Implementing the United Nations Millennium
Declaration”が9月20日にニューヨーク市で開催されまし
た。
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2004/41.htm

●国際社会のリプロダクティブ・ヘルスへの過去10年間の
取り組みに関する国連の報告書“The Cairo Consensus at
Ten: Population, Reproductive Health and the Global
Effort to End Poverty”が9月15日に発表されました。

http://www.unfpa.or.jp/publication/2004.pdf
(日本語版、PDFファイル)
http://www.unfpa.org/swp/
(英語版ウェブサイト

−ワーキング・ペーパー、セミナー報告書−

●英国シンクタンクODIの報告書 “Aid to ‘Poorly
Performing’ Countries: a Critical Review of Debates
and Issues”のダウンロードが可能です。
http://www.odi.org.uk/publications/poorly_performing_countries/Aid_to_PPCs.pdf (PDFファイル)

●人道的支援の国際動向を分析したODIの年次報告書
“Beyond the continuum: the changing role of aid
policy in protracted crises” のダウンロードが可能で
す。
http://www.odi.org.uk/hpg/papers/HPGreport18.pdf (PDFファイル)

●UNDPの Jan Vandemoortele のペーパー“Can the MDGs
foster a new partnership for pro-poor policies ?”のダ
ウンロードが可能です。
http://www.undp.org/poverty/docs/mdgfoster-jv-july04.pdf (PDFファイル)

●UNHCRのJulia Powlesによる論文 “Life history
and personal narrative: theoretical and methodological
issues relevant to research and evaluation in refugee
contexts”のダウン・ロードが可能です。
http://www.unhcr.ch/cgi-bin/texis/vtx/home/opendoc.pdf?tbl=RESEARCH&id=4147fe764&page=publ (PDFファイル)

●米国シンクタンクICGからジンバブエと南アフリカの土
地改革に関する報告書 “Blood and Soil: Land, Politics
and Conflict Prevention in Zimbabwe and South Africa”
が発表されました。
http://www.crisisweb.org/home/index.cfm?l=1&id=2998
 
●米国シンクタンクCSISからイラク情勢の報告書
“Progress or Peril? Measuring Iraq’s Reconstruction
Progress”が発表されました。
http://www.csis.org/isp/pcr/0409_progressperil.pdf(レポート本文、PDFファイル)
http://www.csis.org/isp/pcr/0409_progressperil_ExecutiveSum.pdf(サマリー、PDFファイル)

●カーネギー国際平和財団からワーキング・ペーパー
“Islamists in the Arab World” が発表されました。
http://www.carnegieendowment.org/publications/index.cfm?fa=view&id=15755

●イラク復興をテーマにしたセミナー”The Future of Iraq:
Beyond the United States Occupation”がSAISとニュー
ズウィーク誌の主催で開かれました。
http://www.sais-jhu.edu

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【2】 ワシントンDC開発フォーラムBBLのご案内:

【9月24日(木)】

「地球温暖化対策を新しい開発ツールとして如何に活用するか」

キックオフ: 稲田恭輔氏(JBIC企業金融部調査役)

趣旨: 日本は、地球温暖化問題への対応として京都議定書
で定められている温室効果ガス排出削減目標を達成するとと
もに、開発途上国の持続可能な発展に貢献するため、京都議
定書に定められた「京都メカニズム」(※)の活用を推進し
ています。

(※)開発途上国で実施する温室効果ガス排出削減プロジェ
クト(CDM)等を通じて、国外で実施した削減効果を先進国の
数値目標に加えるメカニズム

この地球温暖化対策は、貧困削減(送配電網の整備が困難な
農村部の未電化地域へのクリーンエネルギー導入促進等)、
開発金融(ODA、直接投資とは異なる先進国から途上国への新
たな資金供給メカニズム)といった観点から、「新しい開発
ツール」としての意義を持つものです。

稲田恭輔氏は、JBICで本問題を担当しており、世界銀行が設
立した信託基金である「炭素基金(Prototype Carbon
Fund)」にはJBICが出資参画していることから、出資者代表
で構成される参加者委員会にもメンバーとして加わって、本
分野の取り組みを推進するとともにノウハウの取得に努めて
います。

本BBLでは、稲田氏より、「京都メカニズムとは」、「日本等
の地球温暖化対策の現状」、「国際協力銀行の取り組み」、
「新しい開発ツールとしての地球温暖化対策の可能性」など
について冒頭紹介・問題提起を頂き、世銀や日本をはじめと
する幅広い関係者の間で議論を深めたいと考えております。

【9月27日(月)】

「平和構築に日本のODAで何ができるか」(仮題)

キックオフ: フリージャーナリスト 吉田鈴香氏

【9月29日(水)】

「キャパシティービルディングを中心とした日本型協力の成
果と課題」(仮題) 

キックオフ: 加藤 宏氏(JICA企画調整部グループ長)

【10月1日(金)】

「日本の強み、世銀の強みーさらなる援助資源の有効活用を
目指して」(仮題) 

キックオフ: 阿部 義章教授(早稲田大学)
 
【10月8日(金)】

「秋の世銀・IMF総会を振り返って」(仮題)

キックオフ: 大矢俊雄氏(世界銀行日本理事室理事代理)
        三好敏之氏(IMF日本理事室審議役)

―――

上記BBLの開催要領及び出席方法は以下の通りです。

開催要領

時刻: 12:15〜14:00
 (次第)12:15頃から 食事(各自持参)、適宜自己紹介
     12:30頃から キックオフ
     13:00頃から 自由討議(14:00終了)

出席方法: 会場準備等の関係上、開催前日正午までに、本
フォーラムBBL担当(江尻)に出席を希望される方は氏名・所
属先をご連絡ください。Yumiejiridev@aol.com

場所: JICA米国事務所・会議室
1776 Eye Street, N.W. Suite 895, Washington, DC
Tel: 202-293-2334、Fax: 202-293-9200

【JICA米国事務所ビル管理方針の変更に伴うお願い】

この度のDC区域の警戒レベルの引き上げに伴い、JICA米国
事務所が入っているビルの管理方針が変更になりました。

今後、事務所は、予めビルのフロントに対して来客予定者リストを
提出し、その上で来客者はフロントの係員にエスコートをしてもらう
ことが必要となります(エレベーターを動かすためには、指定の
カードキーが必要なため。)

以上を踏まえて、皆様には次についてお願いいたします。

 事前登録を必ず行ってください。
 事前登録なしに参加する場合は、11:30までに事務所の
   中村次長か村田宛に連絡を入れてください。
(事務所代表電話番号 202-293-2334)
 上記もしくはを行われた方は、フロントに申し出てください。
   当面、12:00〜12:30間は事務所のインターンをフロントに配置し
   エレベーターまでエスコートします。遅れてこられた方の場合は、
   フロントを通じて事務所にご連絡いただくこともあります(フロントの
   係員がエスコートすることもございます)。
念のため、身分証明書をお持ちください。
 上記を行われていない方は、フロントを通じて事務所に
   ご連絡ください。フロントにインターンがいる場合には、申し出てください。

尚、上記の管理方針変更については期限未定とのことです。
皆様にはお手数をお掛けいたしますが、どうぞご協力お願い
申し上げます。

DC開発フォーラム・BBL担当
江尻由美

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【3】 ワシントンDC開発フォーラムウェブ更新:「中南
米地域へのJICAの協力」

7月8日に行われたBBL「中南米地域へのJICAの協力」の
記録をウェブに掲載しました。
http://www.developmentforum.org/records/040708lac.doc
(ワードファイル)

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【4】 保健ネットワーク・ブログサイト立ち上げのご案内

この度、保健ネットワークでは新たにブログサイトを設立し
ました。

当ブログサイトでは、保健ネットワークのメンバー数人に
『投稿者』になって頂き、その方々が所属されている機関や
地域での保健に関する情報や、関心のあるテーマに関連した
情報を随時提供して頂くシステムを取っています。サイトの
アドレス及び現時点での投稿者は以下の通りです。

http://dev-health.jugem.jp
(サーバーの増強中のため、時々アクセスできなくなること
があります。表示されないときは、時間をおいて再度アクセ
スしてみてください。)

早川元貴:WHOジュネーブ本部
平岡久和:WHO西太平洋地域事務局
吉田友哉:JICA東京本部
大野尚子:世界銀行DC本部

国際保健の分野の情報は各所に点在しておりますが、本ブログ
サイトでは、これらの情報を数名の投稿者がキャッチし、まとめて
このブログサイトに掲載することで、最新かつ、より幅広い情報を
一ヶ所で提供することを目指しております。

このブログサイトは、投稿者が瞬時に情報を提供出来ることに
加え、投稿に興味を持ったり疑問があったりした場合は、
投稿記事にコメントをつけたり、自分のブログ記事にリンクをしたり
(Trackbackと呼ばれています)出来る双方向性も兼ね備えています。

本ブログサイトは立ち上げたばかりで、また、ブログ自体がまだ
新しいメディアですので、今後皆様のフィードバックを得つつ、
新しい技術も導入して発展させていきたいと考えています。
ブログサイトを見ての感想、要望などを是非お聞かせください。

また、掲載する情報の多様化のために、引き続き投稿者を
増やしていきたいと考えています。定期的にブログサイトに
情報を提供していただける方がいらっしゃいましたら、大野
(naokoohnodev@hotmail.com)までどうぞご連絡下さい。投
稿者として登録させていただきます。

なお、旧来の保健ネットワークのウェブサイト及びメーリングリストと
本ブログサイトとの役割分担は以下のように考えています。

●保健ネットワークウェブサイト
www.developmentforum.org/health
ブログサイトはアップデートされた情報提供の場であるのに対し、
保健ネットウェブは国際保健のリンクやブログサイトに掲載された
情報のうち、長らく保存しておく価値のあるもの(報告書など)を
抜粋して掲載することにします。メーリングリストへの勧誘もこち
らで行います。

●保健ネットワーク メーリングリスト
本メーリングリストでは、あるテーマや質問について意見交換を
行う場に用いることとします。また、イベント情報は基本的に
ブログサイトに掲載することとしますが、開催直前となったイベント
の紹介など緊急の場合には、本メーリングリストを用いて
連絡することも可能です。

現在当ネットワークのメンバーは75名を超えましたが、今後より
有益なネットワークを目指して当方も色々と工夫をしていきますので、
皆さんのご参加及びご協力をどうぞ宜しくお願い致します。

保健ネットワーク フォーカルポイント
大野尚子 
早川元貴
吉田友哉

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【5】 地球に乾杯!NGO: アフリカの開発/市民社会

新たに次のコラムを掲載しています。

●9月20日/Seeing is Believing(4)
       ―アフリカ開発を考えたとき(後)(工藤真友美)
→アフリカの開発で大事なのは、ドナーの考えを押し進める
のではなく、その地域に根付いているもの、伝統、習慣など
をうまく取り入れていくことである。現地の人と暮らしを共
にし、アフリカを肌で感じることが大切で、上から下を見る
視線では無理である。
 http://mywebpages.comcast.net/NGOcolumn/040920mk.html
 
●9月13日/第4回:キーワード=「市民社会概念の変遷」
     歴史に見る『市民社会』概念の変遷 (粒良麻知子)
→『市民社会』の議論は、(1)ヨーロッパで議論されてき
た『市民社会』、(2)ラテンアメリカ、東欧の民主化達成
の過程で出現した『市民社会』、(3)先進国及び多国籍ド
ナー機関が、開発援助の文脈で用いる『市民社会』である。
市民社会概念の歴史的変遷を知ることで、NGO活動を人間の歴
史の一部として位置付け、深みのある理解ができる。
 http://mywebpages.comcast.net/ngocolumn/030414mt.html
 またはBlogは
 http://e-ngo.cocolog-nifty.com/blog/2004/09/post.html
 
(「地球に乾杯!NGO」コラム発起人:杉原ひろみ)
 http://e-NGO.net

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【6】 教育ネットワーク: Good Education For All (GEFA)

□9月18日付ウェブ更新内容

先日、日本の援助及びセクターワイドアプローチに関連した
論文をアップいたしました。

●橋本宣幸氏。2004年。GRIPS。「現地ODAタスク・フォース
強化策としての『ガーナ・モデル』―ガーナにおける案件形
成の取り組み―」

●古川光明氏。GRIPS。「セクターワイドアプローチと日本の
選択」

●吉田和浩氏。2001年。JICA研究ノート「セクターワイドア
プローチ―ガーナの基礎教育支援の反省から学ぶもの」
http://www.developmentforum.org/education/biblio-jp.htm

●Teachers College, Collumbia University. 2001.”Sector
Wide Approaches in Education: Coordination or Chaos?”
in Current Issues in Comparative Education – Journal
Archives 3(2) Volume 3, Number 2.
http://www.developmentforum.org/education/biblio-ed.htm

□Education News
9月8日 International Literacy Day (UNESCO)
9月1日〜8日にかけて Adult Learners Week、そして9月8日は
International Literacy Day でした。また、今年のテーマ
は Literacy and Genderです。現在、七人に一人が文盲であ
り、860万人の文盲成人のうち500万人が女性です。ま
た、2003年から2012年はUnited Nations Literacy Decade と
なっています。
http://portal.unesco.org/education/en/ev.php-URL_ID=32626&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html

以上です。ご意見ご感想お待ちしております。

GEFAフォーカルポイント 利根川佳子 (yoshikom55@yahoo.co.jp)

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【7】 バングラデシュ・モデル(現地機能強化):貿易・投資、洪水支援他

●9月12日、バングラデシュ開発援助勉強会「日本・バング
ラデシュ間の貿易・投資関係を如何に強化すべきか」が開催
され、西川壮太郎JETROダッカ事務所長が次の資料に基づき冒
頭問題提起を行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/bdmodel/040926jetro.doc

現地での取り組みの中で、大使館・JICA・JBICに加え、JETRO
の役割が大きくなってきています。JETROダッカ事務所のウェ
ブサイトはこちらです。
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/

●9月16日の日本・バングラデシュ交流メールマガジンは、
洪水支援をはじめとする各種情報を掲載しています。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/mailmagazine16.htm

(バングラデシュ・モデル運営委員会:紀谷昌彦)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/bdmodel/

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【8】 アフリカ・ネットワーク: アフリカ連合 (AU)、スーダン 他

9月6日〜11日:ブルキナファソでアフリカ連合(AU)サミッ
ト行われ、アフリカの慢性的な失業問題に対する行動計画が
発表されました。また、ダルフール危機の関連では、米国が
ダルフールの人道危機を「大量虐殺(genocide)」であると
発表し、国連安保理にスーダン政府への制裁の可能性を含む
決議案を新たに提出しました。
http://www.developmentforum.org/africa/Weekly%20Updates/Sep6-11_04.htm

9月13日〜18日:アフリカ連合(AU)により設立された汎アフ
リカ議会(Pan-African Parliament: PAP)が、南アで開会し
ました。スーダンのダルフール危機に関しては、同地方での
暴力行為が続く場合、スーダンの石油貿易に対して制裁措置
をとる旨を含む決議案が、国連安保理で採択されました。
http://www.developmentforum.org/africa/Weekly%20Updates/Sep13-18_04.htm

(アフリカ・ネットワーク・フォーカルポイント:粒良麻知子)

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【9】 ラテン・アメリカ・ネットワーク: 小泉首相、中南米訪問

小泉純一郎首相は、9月13日−23日の間、ブラジル、メ
キシコおよび米国の3か国を歴訪しています。15日にサン
パウロで日系社会代表と懇談し、また、経済関係の再活性化
を柱とした“日・中南米新構想”を提唱しました。16日に
は、ブラジルルーラ・ダシルバ大統領との首脳会談に臨み、
国連の安保理常任理事国入り問題で相互に支持することで一
致し、さらに両国の貿易、投資の促進などを話しあいまし
た。17日にメキシコで、農産物を含む本格的な自由貿易協
定(FTA)である日本メキシコ経済連携協定(EPA)にビセン
テ・フォックスと共に署名しました。訪問各国での演
説、声明文は以下のとおりです。

小泉総理大臣の対中南米政策に関する演説:日本と中南米の
新たなパートナーシップの確立を目指して- 2004年9月15日、
サンパウロ –

和文テキスト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/16/ekoi_0915.html
和文ポイント要約:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/16/ekoi_0915a.html
英文テキスト:http://www.mofa.go.jp/region/latin/pmv0409/adress.html

日本とブラジル連邦共和国の間の共同声明 – 2004年9月16
日、ブラジリア –

和文テキスト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/latinamerica_04/jb_sengen.html
英文テキスト:http://www.mofa.go.jp/region/latin/brazil/joint0409.html

日本・メキシコ経済連携協定の署名に際する共同声明 – 2004
年9月17日、メキシコシティ –

和文テキスト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_koi/latinamerica_04/jm_sengen.html
英文テキスト:http://www.mofa.go.jp/region/latin/mexico/agreement/joint.html

日本・メキシコ経済連携協定(経済上の連携の強化に関する
日本国とメキシコ合衆国との間の協定)- 2004年9月17日、メ
キシコシティ –

和文テキスト(協定):http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_11a.pdf
和文テキスト(付属書):http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_11b.pdf
和文テキスト(実施取極):http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_11c.pdf
英文テキスト:http://www.mofa.go.jp/region/latin/mexico/agreement/index.html
EPAに向けての交渉過程:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_mexico/index.html

(ラテンアメリカネットワークフォーカルポイント:舩串知恵)

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【10】 DFID通信更新情報:

国際人口開発会議(ICPD)10周年と採取産業の透明性イニ
シアティブ(EITI)
http://www.developmentforum.org/uk/dfid/index.htm

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【11】 FASID国際開発研究センター最新情報 (国際平和
協力人材育成シンポ、イラク復興支援、開発政策融資)

●「国際平和協力分野」の人材育成に関するシンポを開催い
たします。(9月30日(木)、於:三田共用会議所 基調講
演:明石康 政府代表他)詳細情報およびお申込みは下記ウェ
ブサイトをご確認下さい。
http://www.fasid.or.jp/kaisai/index.html#symposium

●9月22日(水)12:30-14:00、FASID 第124回BBL「イラク復
興支援の現場から」
(講師:上村司氏 外務省経済協力局政策課長/前駐イラク
臨時代理大使)を東京のFASIDで開催します。詳細は下記ウェ
ブサイトをご覧下さい。
http://www.fasid.or.jp/chosa/forum/bbl/annai_124th.html 

●開発援助動向レポート『世銀「調整融資」を「開発政策融
資」へ変更』を掲載いたしました。是非ご覧下さい。
http://dakis.fasid.or.jp/report/report.html

(FASID国際開発研究センター 中村 玲)
http://www.fasid.or.jp/
http://dakis.fasid.or.jp/index.html

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【12】 開発質問箱:第11問「途上国の学校は先進国とど
う違うのですか?学校を卒業して仕事はあるのですか?」

いつも開発質問箱への回答をいただきありがとうございま
す。慶応大学C-fa(Chances for All)では、本年4月、DC開
発フォーラムと連携して「開発質問箱」を立ち上げました。
http://www1.c3-net.ne.jp/ikuma/

第10問は、「NGO・国際機関・先進国の援助のどれが一番途上
国の人たちの役に立っているのですか?」というものでし
た。

これに対して、(1)それぞれがお互いに協力し、強みを生
かして知恵や力を出しあうこと、そして途上国の人たちの立
場に立つことが大事、(2)先進国・途上国双方の利害関係
や価値観の違いも関係する、(3)規模やきめ細かさなどが
違うが、どちらがいいとかではなく、どちらにとっても恐ら
く強みでもあり、弱みでもある、といった回答をいただきま
した。追って次のウェブサイトに掲載させていただきます。
http://www1.c3-net.ne.jp/ikuma/q&a10.html

次の質問(第11問)は、「途上国の学校は先進国とどう違う
のですか?学校を卒業して仕事はあるのですか?」にさせて
いただきました。今回も多くの方からの回答をお待ちしてお
ります。devforum MLまたはウェブサイトにご回答く
ださい。

これまでの質問・回答は、「開発質問箱」ウェブサイトをご
覧下さい。興味を持たれた質問がありましたら、是非回答を
お寄せください。引き続きよろしくお願いします。

(開発質問箱:福島・野宮・六人部・紀谷・木村・中村)
http://www1.c3-net.ne.jp/ikuma/

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【13】 UNOPS東京事務所プロジェクト連絡調整スタッフ募集

UNOPS東京事務所では、プロジェクト連絡調整スタッフを募集
しています。

<勤務地>
UNOPS東京事務所

<業務内容>
プロジェクトについての連絡調整およびアドミニ全般

<応募資格>
1. 英語(TOEFL 600以上)および日本語による業務遂行が可能であること
2. 国連機関および開発分野についての知識があること
3. コンピュータスキルがあること
4. 少なくとも2〜3年の業務経験があること

<勤務条件>
給与:当事務所規定により支給。

<勤務期間>
2004年10月下旬または11月より

<応募書類および締切り>
下記書類を締切日までに電子メールにて送付して下さい。
1.応募書類
?カバーレター(英文)
?履歴書(和文及び英文:英文履歴書については当事務所ウェブサイトより規
定のフォームをダウンロードして使用して下さい)
2.締切日
9月26日(日)必着
3.宛先
RegistryTokyo@unops.org
件名を「プロジェクト調整スタッフ応募(氏名)」として下さい。

業務内容および応募資格についての詳細は当事務所ウェブサイト
http://www.unops.or.jp/japanese/employ/Vacancytokyo.html をご覧下さい。

選考結果に関するお問い合せに関しては、対応しかねますの
であらかじめご了承下さい。

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[編集後記] ミネルヴァのふくろうは黄昏に飛び立つ

ミネルヴァのふくろうは黄昏に飛び立つ、というヘーゲルの
ことばがあります。先日、ミッションからDCへの帰路、ロ
ンドンのホテルで久しぶりに日本の新聞を読んでいたとき
に、引用されているのを見かけました。

「種々の学芸の中で、総合的で最終的な学問として最後に到
達するものである哲学を、学芸の象徴としてのミネルバのフ
クロウにたとえたという」と。私は、この書き方に強い違和
感を覚えて考え込んでしまいましたが、ふと、ミネルヴァの
ふくろうの比喩は開発問題に関わる人が心に留めておかなけ
ればならない警鐘でもあるのではないか、と思い至りまし
た。

ミネルヴァは、智慧をつかさどるギリシャの都市国家アテネ
の守護女神アテネのローマ名、ふくろうはその神鳥とされま
す。ギリシャ神話のアテネといえば、ペルセウスが討ち取っ
たメドゥーサの首を装飾にあしらった山羊皮盾アイギスを持
ち、兜と胸当てを付ける猛々しい軍神のイメージが強いです
が、ローマ神話ミネルヴァは智慧の象徴のイメージが強いで
すね。

智慧の神としては、ローマ神話の女神ソフィアが有名です
が、ソフィアはギリシャ神話では巨人ティタン神族の女神メ
ティスであるとされ、アテネはこのメティスとゼウスの娘と
されます。哲学、すなわちフィロ(愛す)ソフィー(智慧)
の象徴に相応しい神格です。

さて、ミネルヴァのふくろう、ですが、どうもことばが一人
歩きし、様々な解釈がなされているようです。「古い智慧が
黄昏時を迎えたとき新しい智慧がその中から生まれる」とい
う希望(暗闇に飛び立つふくろうのイメージを、炎で自らを
焼き再生する不死鳥フェニックスに重ねているのでしょう
か)、「暗黒時代が近づいて初めて人間の叡智が発現する
(本当の破局が訪れて初めて変革への智慧が得られる)」と
いう諦観から、「文明の衰退期にこそ人間の叡智が必要とさ
れる(今の日本にこそ智慧を備えたリーダーが必要だ)」と
いう信念まで。

けれども、ヘーゲルの指摘は、「哲学(ふくろう)は、常に
後追いで(黄昏時になって)現実を整理・総括するものでし
かない」というものでした。様々に移りゆく現実が、ひとつ
の時代を通過するにつれて一定のまとまりを見せ、時代の終
わりとともに集合体として完成する、その時になって初め
て、現実世界についての思想としての哲学が成立する、とい
う教えです。この「ひとつの時代」の存在にしても、後知恵
で整理・総括してみて区切りをつけるだけのものでしょう。

これは、哲学のみならず、学問一般についてあてはまりま
す。まず、現実が存在するのです。学問・理論・理屈が現実
を創造するはずもなく、目の前には、今、何かをしなければ
ならない問題が、我々が解決策や処方箋を知っていようがい
まいが、厳然と存在しているのです。ところが、自らを過信
してか、現実を学問(理論)に合わせようとする(理論に合
致する範囲でしか現実を見ようとしない)人が何と多いこと
でしょう。

もし、開発学、という学問が完成する(もしくは事実を総括
する)時が来るとすれば、それは黄昏時。既に、現実の問題
は終わっているか、次の段階に移行しているでしょう。我々
は、正しいと確信できる理論・処方箋なきままに、しかしな
がら現実を少しでも改善すべく試行錯誤し続けるしかないの
です。

もちろん、理論化の様々な努力や、過去の知見の蓄積は有益
な判断材料を提供するでしょうが、それでも試行錯誤の中に
いるのだということを忘れない謙虚さが大切だろうと思いま
す。(緒方)

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編集担当:野口 泰
編集担当補佐:早川 元貴
編集後記:緒方 健太郎
発行:ワシントンDC開発フォーラム