DFID Report/DFID通信

第8回 「議長国としての決意表明」

この2005年になってからの英国の援助関係の動きは本当に活発です。
まずはブラウン蔵相。スコットランドでのスピーチでいわゆる「新マーシャル・プラン」を発表しました。 新マーシャル・プラン」は債務救済、貿易障壁撤廃、世界の援助の倍増を三本柱としています。このうち「世界の援助の倍増」のために英が提案しているのがIFF(国際金融ファシリティー)です。アメリカが第2次世界大戦後に当時のアメリカのGDPの約1%にあたる金額を戦後復興に提供したことになぞらえ、G8を初めとする先進国は「大胆で気前の良い(bold and generous)」途上国支援を行うというものです。今後の蔵相会議においてこのプランを中心に議論をリードしようとしているようです。そして1月12日〜17日にアフリカ4カ国訪問。新薬開発支援から貧困対策までの包括的なエイズ政策の発表 やアフリカ委員会の会合を行いつつ、現場中心のスケジュールでアフリカのからの声を聞いていることをアピールしています。

さて、ヒラリー・ベン国際開発相はといいますと、津波災害での貢献もアピールしつつアフリカについての関心を下げないとのブレア首相の厳しい注文に答え、1月6日から12日の1週間のうちに津波被災国訪問、スーダン和平式典への出席、アフリカ個人代表のロンドン会合、ジュネーブでの津波関連ドナー会合に出席との強行軍をこなしました。

1月26日にDFIDがUNDPとの共催で「Words into Action in 2005」と題するセミナーを開催しましたが、ここでもブラウン蔵相がスピーチをし、先の「新マーシャル・プラン」の説明を行いました。このセミナーでは英NGO中心の「Make Poverty History」キャンペーンの宣伝も行われ、マロック・ブラウンUNDP総裁も英政府とNGOの関係の強さには驚いておられました。

DFIDでは教育関係の特にプレッジ額の発表も行われましたが、基本的にはミレニアム開発目標(MDG)をいかに達成するかにそって政策が組まれています。1月31日にはDFIDのMDGへの取り組みをまとめた資料が発表されています。

議長国の意気込みというと7月のサミットに目が行きますが、2005年の後半はEUの議長国。9月のミレニアム・サミットと12月の香港でのWTOの会合まで視野に入れ、一貫して債務救済、貿易障壁撤廃、世界の援助の倍増を訴えていくとのことです。

2004年2月5日

DFID通信担当 石橋 幸子

第7回 DFID e−ニュースレター
第6回 アフリカ委員会コンサルテーション他
第5回 ICPD10周年とEITI
第4回 ODA増額方針とPSAの改正
第3回 リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツに関するポジション・ペーパー
第2回アフリカ国際委員会について
第1回 2004年度国際開発省(DFID)年次報告書の概要

【関連資料】
英国国際開発省(DFID)研修報告(2004年1月19日−2月13日)
(プレゼンテーション 1
外務省経済協力局調査計画課
横林 直樹

イギリス通信へ
サセックス通信へ
アフリカ通信へ
パリDAC通信へ

Top