DFID Report/DFID通信

第4回 ODA増額方針とPSAの改正

7月12日の英の2004年包括的歳出見直しが発表されました。この見直しの対象期間は2005/06年度から2007/08年度の3年間です。この中で、一年当たりのODA総額を2007/08年度までに約65億ポンドとし、対GNI比についても0.47%に増加させるとされましたが、あわせて、対GNI比0.7%のODAを2013年までに実現するとの発表がありました(更にIFF:国際金融ファシリティーが実現できれば2008/09年度には0.7%との言及有り)。

なお、英国際開発省(DFID)の援助予算に関しては、20024/005年度の約38億ポンドから2007/08年度には約53億ポンドと大幅に増加させることとしました。年平均伸び率は9.2%で各省庁の中で最も高い伸び率を示しています。

 また、PSA(Public Service Agreement)のターゲットも次のとおり見直しされました。紛争関連が新しく入っていますが、これは外務省・国防省との共同目標です。

  1. サハラ以南アフリカ地域におけるミレニアム開発目標に向けた進展(貧困削減、初等教育の普及、幼児死亡率の削減、安全な出産の普及、HIV/AIDS妊婦の削減、効果的な援助とアフリカ開発への国際的な政策を確保するためのパートナーシップの向上等)
  2. アジア地域におけるミレニアム開発目標に向けた進展(貧困の削減、初等教育の普及、幼児死亡率の削減等、安全な出産の普及、HIV感染及び結核対策等)
  3. 国際システムの効率化(ECの低所得国向けODAの割合増加、重債務貧困国に対する国際的な協力、ミレニアム開発目標に向けた国際的な協力、国連機関と人道支援システムの効率化等)
  4. EU及び世界の貿易障壁の削減
  5. 特にアフリカ、アジア、バルカン、中東における紛争防止及び紛争後の復興への支援
  6. ニ国間援助のうち90%を低所得国向けとする。

ここでは細かい数字は省略しますが、数値目標のたて方が従来と変わり、2000年又は`1999年を基準として何%削減又は増加させるとの言い方になっています。
英文資料はDFIDのウエブサイト(www.dfid.gov.uk)の「FURTHER BOOST TO UK AID BUDGET」から英大蔵省のページ(www.treasury.gov.uk)へリンクにとぶと入手できます。歳出見直し(Spending Review)のページの中に更にPSA(Public Service Agreement)のページへのリンクがあります。

2004年7月18日

DFID通信担当 石橋 幸子

第1回 2004年度国際開発省(DFID)年次報告書の概要
第2回アフリカ国際委員会について

第3回 リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツに関するポジション・ペーパー

【関連資料】
英国国際開発省(DFID)研修報告(2004年1月19日−2月13日)
(プレゼンテーション 1
外務省経済協力局調査計画課
横林 直樹

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