ワシントンDC開発フォーラム
DC Development Forum


6月26日(水)ブラウンバッグランチ
「日本はミレニアム開発目標(MDGs)に対して如何に取り組むべきか」

【前置き】

1 初心者向けの講義ではない(既往の情報を整理するものではない)
2 援助実務そのものではない(一歩退いて基本的問題を個人的に考察)

【1】認識編

1 国際協力の現場から
(1)「プロジェクト」からMDGsへの遠い道のり
・国別事業実施体制の確立、地域部創設
・開発課題への効果的アプローチ
 (基礎教育、農村開発、エイズ、中小企業支援、生態系保全等)
・「統一要望調査」(形態別事業サイクルの克服)
(2)「日米競演」の対照性
・6/20両政府発表
?日:5年で2500億円(20億$)
?米:5年で2億$(16万人新任教師、26万人現職教師、教科書450万冊、奨学金25万人分)

2 国際潮流の形成
(1) 野望を抱いた人たちの星取表(パリから再びNYへ)
・グローバル目標の設定(90年代初期から活発化、コペンハーゲン、パリ):○
・グローバルコンセンサスの形成:○(米?)
・包括的な目標の設定:△
・ガバナンス、社会の能力構築への踏み込み:×
・共通の価値観の定立:×(DACでの議論の危うさ)
(2) 呉越同舟(異なる出自の成果主義、NY=DC同盟)
・Like-mindedの戦略:調和
・援助批判からの帰結
・更なる援助供給への期待
・ウォルフェンソンの状況判断(Monterey以降の積極化)

3 MDGsが日本に突きつけた課題
(1) 「金」と「知恵」による貢献
・日本はいくらだすのか?(Montereyショック、第二位の安堵感?)
・「流れ」からの疎外感
(2) 成果の顕示
・「成果」を説明できないもどかしさ(難問に取り組んでいることの証左?)
・現在のルール設定で闘うことの難しさ
(3) 調和化、共同作業、Selectivityへの対応
・調和化とのリンケージが強化されていく可能性(EU首脳会議での議論:財政
支援の加速、教師の給料等)
・共同作業(UNDP:score keeper & campaign managerの試み)
・援助効率重視の結果としてのSelectivityの顕在化(米MCAと戦略援助の不明瞭な関係、世銀on track, up-hill, Licus議論)

【2】提言編

1 「栄光有る孤立」主義からの転向、MDGsへの建設的参与
(1) 共同作業(リサーチ、costing、アドボカシー、国別・地域別取り組み等)への参入・基本的枠組みへの提言(48指標の再検討:生物多様性保護地域の妥当性、生煮えの第7、第8目標)
・costing:単純な二元論から構造解明へ、シナジーとweak linkage、民間投資・貿易・国家財政等を包含した考察、CDの効用、「援助効率」論への疑問(ソフトの金銭換算と長期効用への配慮)
・より長期のタイムフレームの設定(ポスト2015Fatigueの回避)
・アドボカシー(→次項)
・国別・地域別取り組み支援(MDGsレポート、統計・モニタリング(中国統計
の怪)、相互学習支援(地域セミナー)、国家開発計画・PRSPとの関係)
・国別・地域別の個別目標策定と個別アプローチ実践の支援
(2) 自己改革(アカウンタビリティに関する相乗効果の活用)、MDGsの主流化
・アドボカシーとの協働(MDGsを支える行動、MDGsと関係づける行動がODAに
対する意義付けを強化する?)
・MDGsの主流化(TICAD, IDEA, 水, 種々のイニシアティブでMDGs貢献に言及
(3) 「ODAを超えて」(新たなメカニズムの創出)
・「革新的な資金源に関する分析」(Monterey)、為替取引税、炭素税、武器規制と課税、eco投資、グローバルコンパクト

2 「投入先の選択」(selectivity)か「戦略の使い分け」(option)か?
(1) 比較の視点を堅持した「成功体験」の累積
・我田引水、ほっていてもうまくいく、等の批判
・比較から抽出する個性
・on trackの成功を助長
(2) 「経済成長支援」と「社会サービスデリバリー」の狭間
・CD、総合的なコミュニティー・エンパワーメント等の位置付け
・Poor performer with 'good' will
(3) 「最難関」への挑戦
・Poor performer with 'bad' will
・いずれにせよ必要となるもの、への対処
・周りから取り囲む
・平和のコンテクスト(不思議に少ない平和と開発の議論)

3 「ポスト2015」に向けてのアジェンダ設定
(1) 2015年までのアジェンダ設定
・ESSD副総裁(積み木論)、UNDPイニシアティブ(-2004)
(2) 「能力構築」への長期的コミットメント
・WBI副総裁(CD重視)
(3) Holistic Approachに向けての始動(ミレニアム宣言への回帰、「脱」ODA)・平和、人権、民主主義、ガバナンス、弱者保護(以上宣言)+「多様性」

以 上 
JICA米国事務所 戸田隆夫氏
・・・

MDGs概要については次のサイトをご覧下さい。
www.worldbank.or.jp/MDGs.pdf
www.developmentgoals.org